日本政府関係筋は20日、稲田朋美防衛相が12月中旬に米グアムを訪問する予定であり、すでに最終調整を行っていることを明らかにした。日本はこの訪問で米軍の最先端地上配備型ミサイル迎撃システム「THAAD」を視察する計画だ。

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共同通信社の20日の報道によると、日本政府関係筋は同日、稲田朋美防衛相が12月中旬に米グアムを訪問する予定であり、すでに最終調整を行っていることを明らかにした。日本はこの訪問で米軍の最先端地上配備型ミサイル迎撃システム「THAAD」を視察する計画だ。防衛省は北朝鮮の「ミサイルの脅威」に対処するため、THAAD導入を検討している。人民日報海外版が伝えた。

今回のグアム訪問は日本がTHAAD配備の準備にすでに着手したことを示すものだろうか。

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は、日本のTHAAD配備は疑いの余地がなく、時間の問題に過ぎないとする。呂氏はさらに「早くも2015年に中谷元防衛相は米ハワイで、THAAD導入を検討していると表明した。当時メディアは、中谷氏の姿勢表明は曖昧だが、日本のTHAAD導入は技術レベルに入ったとほぼ確定できるとの見方を示した」と補足する。

■安全を口実に軍事力を強化

共同通信社の報道によると、今回のグアム訪問は日増しに激化する北朝鮮の「ミサイルの脅威」に対処するためだ。

呂氏は、北朝鮮への防備は口実に過ぎず、主たる目標ではないと考える。軍事技術の観点からは、日本がTHAAD導入を検討するのは国内の現有の2段階ミサイル防衛システムの抜け穴を補い、より完全の3段階ミサイル防衛システムを構築して、周辺国に対する抑止を強化するためだ。

中国現代国際関係研究院日本研究所の霍建崗副研究員はメディアの取材に「日本にとって、防御強化は最良の進攻強化だ。THAAD導入によって軍備を一層整備し、軍事大国へとさらに一歩進むことができる」と指摘する。

また、呂氏は「オバマ大統領が退任する。『アジア太平洋リバランス戦略』がトランプ政権時にも引き続き貫徹されるようにするため、トランプ氏の政策が明らかになる前に日米同盟を強化することも考慮されたと言える」と分析する。

■北東アジアの国の利益を損なう

霍氏の考えでは、表面上THAAD導入はミサイル防衛面で米国との協力を一層強化する。日本のミサイル防衛システムは高空から低空まで米国が提供したものであり、THAADはこうした協力をさらに進めると共に、米国の「アジア太平洋リバランス」戦略における日本という「最前線陣地」を一層強固にするものだ。

THAADは「最前線陣地」の安定に資するだけでなく、日米韓ミサイル防衛同盟の確立も推進できる。オバマ政権の推し進める「アジア太平洋リバランス」戦略においては、早くからミサイル防衛システムのデザインがあり、日米韓ミサイル防衛同盟の確立はその重要な一環だ。

だがこれは北東アジアの一部の国の利益を脅かす可能性が高い。外交学院の周永生教授の指摘によると、THAAD配備は他国の正当な権益を侵害する。各国共に地域の安全保障問題に平等に関与する権利があり、地域の安全を維持する責任も持つ。どの国も地域安全保障問題の独占を図るべきではない。現在、米国はいわゆる安全保障上の脅威を名目に、同盟システムの構築に力を尽くし、中露の正当な安全保障上、戦略上の利益を損なっている。

ロシアメディアの23日の報道によると、ロシアのショイグ国防相は「中露は軍事・軍事技術分野で協力すべきであり、これは地域の安全にプラスであり、戦略的安定性に対して積極的な影響がある」と指摘。「両国は北東アジア地域の安全保障問題を含め、地域の問題について緊密に立場を調整する」と補足した。

周氏は「THAAD配備は日本のミサイル防衛能力を高める。ひとたび日米が合意すれば、この高度化を阻止するのは困難だ。中露は自らの防御能力の強化と戦略水準面の向上によって阻止することしかできない」と考える。

すでに韓国のTHAAD配備時に、中国海洋安全・協力研究院の戴旭院長はメディアの取材に「中露の対応手段は実は少なくない。例えば長距離ロケット砲や短距離ミサイルの配備を増加することができる。これはTHAADが迎撃できないものだ」と指摘していた。(提供/人民網日本語版・編集/NA)