<カシオワールドオープン 2日目◇25日◇Kochi黒潮カントリークラブ(7,315ヤード・パー72)>
過去2度の賞金王が屈辱にまみれた。ツアー通算19勝を誇る48歳の谷口徹がトータル4オーバー77位タイで予選落ち。今季は9度の予選落ちを味わうなど獲得賞金は10,921,900円にとどまり、初シードの97年からここ20年間において最低の結果で、静かにシーズンを終えた。この日の時点で賞金ランク75枠(義務試合を満たしていない選手を除く)の第2シード圏内にはいるが、シード圏外で予選通過選手がいるためそのポジションは流動的。決勝ラウンドの結果次第では賞金シードを手放すこととなる。
若手と張り合うこと、それが谷口のモチベーションになっていた
史上10人目のツアー通算20勝を目前にしながら、2012年の「ブリヂストンオープン」以来タイトルがない。常に勝利だけを追い求めたが、目の前にあるのは今シーズンのふがいない結果。表情に、言葉に、悔しさがあふれた。
谷口が2015年のオフから肉体改造に着手したのはゴルフファンの中では知られた話。2年目の今年も少し強度を落としたとはいえ、パワーもついたことを実感している。しかし、鍛え上げたパワーが持ち味の正確無比のショットに微妙な狂いをもたらしていた。「トレーニングが好きになっていたし、トレーニングをすることで自信を持てるところもあった。しかし、コンマ何秒かのフィーリングが合わなくなって、構えた時の信頼感が薄れてきて…」。
ツアーの厳しいピンポジションにも、昔のように攻めていくことができずにいつの間にかセーフティに狙っている自分がいる。「世界的に見てもストレートの直進性の強いボールを打たないと色々なピンを攻略できない。(池田)勇太とか見ているとガンガンストレートに狙っていく。ああいう選手を見ていると、今は…勝てないよね」。近年は若手と張り合って勝つことをモチベーションにしてきた負けず嫌いのベテラン。思わずこぼした弱気な言葉に衝撃を受けた。
だけど、かつてローリー・マキロイ(北アイルランド)に刺激を受けてトレーニングを始めたように、貪欲に吸収しようとするひたむきな姿勢は失っていない。「今日も(ハン)ジュンゴンを見ていて、バランスとかタイミングとかを大きく振るようにしたら近年にない球が打てて、構えてからどこかに球が飛んでいくイメージも少なくなった」。カットラインには届かなかったものの、上がりは3連続バーディ。裏街道でわずかな光を見つけたことが少し気持ちを前向きにする。
仮にシードを落としたとしても来季は2012年の「日本プロゴルフ選手権」優勝の5年シードで出場権がある。「トレーニングをしても年齢的なものもあるけど、追い求めた飛距離にはならなかった。もう少し精度を高めながら、自分の持ち味でやっていかないと厳しい。この世界は結果がすべてなので認めつつ、来年はもう一度チャンスがあるのでそこに向けてやっていきたい」。目にたまっていたように見えた涙はきっと、気のせいだ。
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【ダンロップフェニックス 編】