ESA、火星着陸失敗はスキアパレッリの「一瞬のセンサー値異常」と発表。着陸済みと誤認し3700mでパラシュート切離し

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欧州宇宙機関(ESA)がエクソマーズ計画で送り込んだ火星着陸実証機スキアパレッリの着陸失敗原因が「ほんの一瞬の判断ミス」だった可能性があると発表しました。スキアパレッリは2016年10月19日に火星への着陸を試みましたが、予定よりも早くパラシュートを切り離してしまい、赤い大地に激突、機能を停止しました。

火星着陸機スキアパレッリは機体ナビゲーションおよび制御システムにドップラーレーダーを使った高度センサーや、機体の回転速度を計測する慣性センサーなどを組み込んでいます。そして制御システムは着陸シーケンス開始後も正しく機能しており、予定どおりパラシュートを展開するところまでいきました。

ところがESAによる着陸シーケンスのログ解析によって、途中まで順調だったスキアパレッリが、このあとに一瞬の判断ミスをしていたことがわかりました。

 

 

スキアパレッリが減速のためにパラシュートを展開した際、慣性測定ユニット(IMU)の測定値が衝撃によって測定限界を越えてしまい、しかもその状態が約1秒間継続しました。このわずかな時間のうちにスキアパレッリの制御システムは、センサー値の計算から高度がマイナス、つまり地表以下と誤認。急遽パラシュートとバックシェルを切り離したうえに地表寸前で使う制動スラスター噴射を一瞬だけ行い、着陸後に実行するはずだった地上用制御システムの起動を実行しようとしました。

しかしこのとき、機体は高度3700mの高さ。地球の40%ほどの重力しかない火星とはいえ、富士山ほどの高さから落下すればどうなるかは目に見えています。

ESAは制御システムをIMUの異常値が発生した場合どうなるかコンピューターシミュレーションで再現し、実際に同様の処理が実行されることを確認しました。ただ、現時点ではIMUの異常はまだ技術調査における予備的な結論にとどまるとしています。

2003年に送り込んだビーグル2号につづいて、ESAの探査機が火星への着陸に失敗したのはこれで2回目です。ESAは2020年にもエクソマーズ計画の第2回打ち上げを計画していますが、次回は着陸実証ではなくロシア製のローバーを送り込む予定です。