<『ハリー・ポッター』シリーズから引き続き新シリーズの監督を務めるデービッド・イエーツが語る、魔法の世界を映像化する楽しさ>(写真:内気な主人公ニュートを演じるエディ・レッドメインの演技にも注目)

『ハリー・ポッター』の新シリーズ映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が日本公開中だ。1926年のニューヨークを舞台に、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険が描かれる。主演のエディ・レッドメインをはじめキャストも一新して生まれ変わった物語だが、ハリー・ポッターの世界と重なる部分もある。前シリーズからのファンも初めて見る人も、ともに楽しめる作品だ。

 ハリポタ作者のJ・K・ローリングが脚本を書き下ろしたことも話題で、5部作となることが発表されている。監督は、ハリー・ポッターの5作目以降を手掛けてきたデービッド・イエーツ。新たな魔法界の冒険について、イエーツに話を聞いた。

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――今回は原作本がないので、プレッシャーは少なかった?

 確かに自由にできた。ハリー・ポッターの場合は原作本が非常に多くの人に読まれていて、しかも二度、三度と読んでいる人も多い。彼らは本と特別な関係を築いているし、登場人物とも特別な関係を築いている。

 だから映画の脚本でカットした部分について、原作のファンをがっかりさせることもあった。今回は、J・K・ローリングの新たな章をそのまま映画で体験してもらえる。

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――ハリー・ポッターを生み出したローリングの脚本に意見するのは難しいのでは。

 ジョー(ローリングの愛称)は実用的な考え方をするし、とても協力的。もちろん彼女が作ったキャラクターで、彼女が作った物語だから、私たち製作者は映画の中で「彼女の声」が聞こえていることを大切にしなければならない。それこそ人々が愛しているもので、私も大好きなものだから。

 脚本執筆にあたって彼女はすごく謙虚に、さまざまな指摘やコメントを歓迎してくれた。『ハリー・ポッター』シリーズの脚本のほとんどを執筆しているスティーブ・クローブスと私と3人で議論しながら作業を進め、最終的な形に仕上げていった。
 
 ロンドンのソーホーで彼女に会い、第1稿について15ページほどのメモを初めて渡したときはとても緊張したよ(笑)。彼女がどんな反応をするのか、って。でもジョーは快く受け取り、納得もしてくれた。

――『ファンタスティック・ビースト』は現実世界の描写がかなり多い。街が破壊される場面などは、普通のパニック映画と変わらないように思えてしまった。現実世界を描くことで、逆に難しいことはなかったか。

 ノー。私たちにとって大きなチャンスだと思った。現実世界に魔法を持ち込むことにわくわくしたし、ジョーが1926年のアメリカを舞台にしたのもそういう思いからだったと思う。ホグワーツ魔法学校で7年間過ごした私は、そこから離れられることがちょっと嬉しかった。特に視覚面でね。奇妙なことに1926年のニューヨークという設定は、ハリー・ポッター(舞台は90年代)よりも現代的な感じがした。扱っているテーマからそう思うのか、自分でもうまく説明できないが。

大橋 希(本誌記者)