2億円で売れたウェブサイトとは? 知られざるサイト売買の実際を専門家に訊いてきました

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サイトはネット世界の不動産である!


Engadget読者であれば普段から頻繁に目にしているであろう、ネットのサイト。実はこうしたサイトが見えないところでけっこう頻繁に売買されている、と聞いたら驚かれる方もいるのではないでしょうか。海外での大きな売買であればニュースとなりますが、そもそもそういった話をあまり聞いたことがない、という方も多いのでは。

今回はそうしたサイト売買の実際について扱う『サイト売買M&A講座』を運営している、板津知直さんにお話を伺いました。板津さんは、宿題代行サービスを提供する『宿題代行屋Q』というサイトの代表でもあります。同サイトはテレビなどにもたびたび取り上げられていますから、ご存じの人もいらっしゃるでしょう。

実は『宿題代行屋Q』も、もともとは板津さんが購入したサイトなのです。購入した後にサービスの拡充やサイトのブラッシュアップなどを行い、マネタイズに成功しています。合わせて現在もサイトの売買を行い、その一方で「サイト鑑定士」としても活躍していらっしゃいます。

――一般の人はあまり知りませんが、サイトの売買というのは頻繁に行われているのでしょうか?

板津さん はい。売りたい人と買いたい人をマッチングするサイトもあります。私の運営している『サイト売買M&A講座』もその役目を果たしているのですが、例えば『SiteStock』などが有名ですね。私は「サイトというのはネット世界の不動産」のようなものだと考えています。中には人知れず「優良物件」があるものです。

――どんなサイトが売買されているのでしょうか?

板津さん それはもう多種多様です。アダルトサイトなども売買されていますよ。アダルトサイト専門の売買マッチングサイト『アダルトレーダー』が有名です。

なぜサイトを売りたいのか?


せっかく作ったサイトを売却するというのは、はたから見ているともったいないような気もしますよね。しかし、板津さんによれば、サイトを売却したい人には以下のような動機があるとのこと。

・担当者が不在になった

・新規事業を始めるための運転資金

・家を購入したため、その資金にする

・更新が面倒になった

・将来性が見えなくなった

・もともと売るためにサイトを作成していた

――もうかっているサイトでも売却したいという人がいるのでしょうか?

板津さん いますね。本当に注力したいサイトの方に時間が掛けられないので、こっちはもう売却しよう、という人などですね。複数のサイトを運営している人にありがちなのですが。

買いたい人はたくさんいる! 問題は買うに値するか

――サイトを購入したいという人はたくさんいるのでしょうか?

板津さん いらっしゃいます。買いたいけれども「買うに値するサイトが少ない」というのが実情ですね。おいしいサイトは即日売れます。

――板津さんがこれまでに見た中で、最も高額で売れたサイトはいくらでしたか?

板津さん 2億円だったと思います。これはファッションブランドのECサイトでした。

――2億円はスゴイですね! 買いたい人から見て「おいしいサイト」とはどのようなものですか?

板津さん やはり利益を生むサイトということになるでしょう。その利益がダイレクトにお金の場合もありますし、本サイトに集客するために使えるといったケースもあります。例えば、サテライトサイトを買って、そこから本サイトに誘導して利益を出すなどの場合ですね。

総じて投下した資金が早く回収できるサイトは「おいしいサイト」と言えるのではないでしょうか。目安は「半年-18カ月」で投下した資金を回収ができること。それができると判断されたサイトは買い手がつきやすいでしょう。ECサイトの場合は、回収が若干遅くなります。

――それはなぜでしょうか?

板津さん やはり実際の商品を売買している関係で、在庫の問題などがありますので。ECサイトの場合には、売却にいたった理由などをよく調査してから購入しなければいけませんね。

優良サイトを探すのは宝探しに似ている!

――では、サイトを購入する場合に見るべきポイントは?

板津さん 一般的には、まず利益率というか「収益性」ですね。サイトは不動産に例えられると考えていますが、不動産では投下資本を10年単位で回収できれば良い、とされます。しかし、サイトの場合にはより速く回収を見込まないといけません。

インターネットの世界では環境がどんどん変化していきます。今は有力なサイトでも、5年後、10年後にその地位を保っていられるとは限りませんからね。

――板津さん自身は他にどんな点に注目されますか?

板津さん その売却サイトの紹介文に注目します。普通はなんだかコピペみたいな文章だったりするのですが、サイトの運営者が熱意を持って書いている紹介文は自ずから違っています。サイトを作った人にとっては、自分のサイトは子供のようなものなんです。

ですから、売却してもサイトがきちんと続いてほしいと願う人が多いのです。そういう気持ちがある人のサイトは、熱意といいますか、その気持ちがこもっていて良いサイトだと思います。『宿題代行屋Q』はその点に注目して購入しましたよ。

――他には注目点はありますか?

板津さん そうですね、私の場合には「ジャンル」を気にします。例えば、『宿題代行屋Q』は、もともと私が教育関連のblogを運営していたから注目しました。自分に興味のあるジャンルでないと、やはり運営にも力が入らないものです。ですから、サイトを購入する際にも自分に興味があるジャンルであるかは気にした方がいいと思います。

――サイト売買の面白さとは何でしょうか?

板津さん 隠れた財宝を見つけるのに似た面白さがあります。探してみるとダイヤの原石があるものです。また、サイトを購入するのはゼロから作るよりも楽です。ゼロから1にするのは非常に大変です。1から100にする方が簡単ですよね。ゼロを1にする労力をお金で買うという一面があるのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

あまり知られていませんが、サイトの売買は活発に行われているようです。また「おいしいサイトであれば買いたい。お金はある」という人も多いのですが、高値でサイトを売るためには「投下した資金をどの程度の期間で回収できるか」といった点を厳しい目で査定されるとのこと。

運営してるサイトを査定して実力をチェックしたら、思わぬ高値がつくかもしれませんね。

関連サイト板津知直さんの『サイト売買M&A講座』