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今年11月に、都内のホテルで年次イベント「vFORUM 2016」を開催したヴイエムウェア。同イベントの開催に伴い、VMware CEOのパット・ゲルシンガー氏とヴイエムウェア 代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏が、AWSやIBMとの提携、Dellによる買収の影響、同社が考えるハイパーコンバージドインフラ(HCI)など、同社にまつわる最新のトピックについて説明した。

ヴイエムウェアは今年2月にIBMと、今年10月にAmazon Web Servicesとハイブリッドクラウドに関する提携を発表し、話題を呼んだ。これらの提携により、IBMとAWSが提供するパブリッククラウド・サービス上で、VMware vSphere、VMware Virtual SAN 、VMware NSXで構成されるSoftware-Defined Data Center(SDDC)の機能が利用できるようになる。

なお、ヴイエムウェアはパブリッククラウドサービス「vCloud Air」を展開していたが、今年4月に日本ロケーションでの提供を2017年3月31日で終了すると発表しており、同社のパブリッククラウドではなく、他社のサービスを介してパブリッククラウドに技術を提供していく姿勢が明らかになった。

ゲルシンガー氏は、IBMとAWSとの提携について、「Cross Cloud戦略の取り組みの一環であり、市場では好意的に受け止められている」としたうえで、「われわれの技術はあらゆるクラウドサービス上で使うことができる、唯一の企業。両社との提携は他のプレイヤーとの差別化につながるいいチャンス」と、同社にとって両社との提携が差別化のポイントになるとアピールした。

AWSと提携に至った背景については、「AWSは企業の顧客が増えており、既存のアプリケーションのクラウドへの移行に苦労していた。一方、当社の顧客においてもAWSを利用したいという顧客が増えてきており、シームレスな形でわれわれのスタックをAWS上で利用できるようにしようということになった」と語った。 0 また、Dellによる買収の影響については、「まず、ボードメンバーが交代した点が大きな変化だが、意思決定の仕組みがシンプルになり、改善が見られたと言える。その一方で、VMware自身は変わらないということをあらためて言いたい。実際、日立製作所、富士通といった日本の大手のベンダーがパートナー契約を継続している。日本の事業にとってパートナーは重要であり、その戦略と目的は成功している。さらに、DellにとってIBMとAWSは競合になるが、"VMwareにとってメリットになる"という判断から、提携にこぎつけることができた」とした。

加えて、ゲルシンガー氏は、同社が今後、注力していくことを表明している分野の1つである「HCI」についても言及した。

同社は、HCIに対し、「vSphere」「Virtual SAN」「vCenter Server」から構成されるVMware Hyper-Converged Softwareによるアプローチを提供する。VMware Hyper-Converged SoftwareはEMCと共同で開発したHCIアプライアンス「VCE VxRail」のほか、Virtual SAN Ready Nodeの認定プラットフォームでも利用可能だ。

ゲルシンガー氏は「インフラの管理を簡素化するツール」とし、EMCと共同で開発した「VxRai」の導入企業がグローバルで5600社に達しており、300%の伸びを示しているとして、ビジネスが好調であることを示した。

ロバートソン氏は、日本市場におけるHCIのビジネスについて、「これから、日本のベンダーによる製品が出てくるのではないか。また、われわれが仮想化製品の提供を始めた時、どのベンダーも好意的ではなかったが、今ではさまざまなハードウェア・ベンダーとパートナーシップを結んでいる。HCIについても、同じ流れになるのではないかと見ている」と語った。

IDC Japanが今年8月に発表した調査結果において、2016年におけるハイパーコンバージドシステムの成長率は105.5%増と見込まれているほか、2016年〜2020年にかけても支出額で2ケタ台の成長率を維持すると予測されている。

こうした状況の中で、同社がいかにしてHCIのシェアマーケットを獲得していくのか、興味深いところだ。2017年に期待したい。