レオス・キャピタルワークス代表取締役。大手運用会社を経て、03年レオス・キャピタルワークスを創業。2008年の投資信託設定以来、驚異的な成績を誇る「ひふみ投信」の名ファンドマネジャー。

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2016年6月に一時1万5000円割れまで下落した日経平均だがトランプ大統領誕生での急落も克服できたのは明るい材料だ。こうした流れを受けて2016年年末から2017年にかけて日本株で勝つにはいったいどういった銘柄を買えばいいのだろうか。

今こそ成長株狙いがベストなのか。それとも高配当株でコツコツ配当収入を狙うのがベストなのか。それぞれの投資方法について精通している第一人者が登場。2017年の日本株の見通しについて、高成長株投資のプロ「ひふみ投信」のファンドマネジャー藤野英人氏と高配当株投資のプロである窪田真之氏が語ってくれた。

トランプ大統領誕生で公共投資関連が注目へ

──11月8日の米大統領選の結果を受けて、日本株は大幅な値動きとなりました。今後に不安を感じている人も多いと思われます。

藤野 具体的な政策が出てくるまでは不透明感が払拭できず、トランプ氏の言動で一喜一憂する相場が続くでしょう。ただ、中長期的な視点では、米国の景気は悪くないという見通しを変更する必要はないと考えます。

窪田 私の日本株が割安であるというスタンスも変わっていません。今後は、トランプ氏が過激な発言を封印して、共和党主流派と和解して「強い米国経済を復活させる」ことに、かなりのエネルギーを注ぐと予想されます。具体的には、インフラ再建のための財政出動や減税などに力を入れると思われます。

藤野 公共投資ということでいえば、2014年頃から主要国の経済政策が、経済回復を促すために大胆な金融緩和を推し進めるという方策から、公共投資を重視する方向に転換しようとしています。

窪田 道路や鉄道などのインフラをどんどん建設することで、景気をよくしていこうという取り組みですね。

藤野 公共投資が拡大すれば、原材料やエネルギーなどの価格が上昇し、鉄やセメントなどの過剰生産に苦しんでいた中国経済も息を吹き返します。米国では老朽化したインフラを、人工知能などの新技術を活用して大規模に更新する動きが始まろうとしています。日本でも、マイナス金利などの金融効果の効果がなかなか現れないことにしびれを切らして、ロシアとの共同資源開発など国内外で公共投資を拡充しようという機運が高まっています。

割安だった商社、建機などが注目!
中小型株に大型株が加わる相場展開へ

──そうなると、狙い目の株も変わってきますね。

藤野 これまでは、あふれ返ったマネーが中小型株を中心とする成長株に流入し、株価を押し上げるというのが一般的な流れでしたが、公共投資重視へのシフトが起こると、これまで割安に放置されてきた資源株、商社や建機などをはじめとする重厚長大型の企業が注目されるようになるのではないでしょうか。

 2017年の日本株相場は、中小型株にこれらの重厚長大銘柄が加わり、堅調に推移するのではないかと見ています。

窪田 公共投資重視にシフトすれば、株式相場に悪影響を及ぼしていた原油などの資源安にも歯止めが掛かりそうです。一方で、マイナス金利が懸念されていますが、ここに来て日銀が10年物国債の金利を0%以上に誘導するなど、行き過ぎた金融緩和にブレーキを掛ける動きも見られます。これはマイナス金利による業績悪化が嫌気され、長らく割安に放置されてきた銀行などの金融株にとっては追い風です。

 日経平均を見てみると、2月に続き6月に二番底を打ち、9月に相場反転のシグナルである「ゴールデンクロス」が表れています。つまりチャートでは中期的には強気相場で、上昇トレンドに転換する可能性があります。

 この流れに乗って、2017年の日本株は、金融株と同じように割安に放置されてきた自動車などの輸出株や資源株の一部も上がるのではないかと見ています。

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