auショップの看板(「Wikipedia」より)

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 KDDI(au)の携帯電話を販売する店舗、auショップが契約者に対し、KDDIから届くアンケートへの回答内容について細かい“要求”をしていたことが発覚し、話題を呼んでいる。

 Twitterユーザーの@SHADEmiyokoさんの投稿によれば、あるauショップで渡された書面には、後日CメールでKDDIから届くアンケートについて、「店舗の満足度は『大変満足』」「スタッフの対応は『非常によい』」などと回答するよう、細かい要求が書かれていたという。さらにその書面には、「この部分が悪いとKDDIに怒られてしまうので、必ず上記の回答でお願い致します」と、顧客に対しかなり強く“注文”をつける文言も並んでいるが、こうした行為は携帯ショップで広く行われているのだろうか。携帯電話業界に詳しい記者は語る。

「キャリア(携帯電話会社)によって異なるようですが、ここ最近、同様の行為を実施する店舗が増加傾向にあるようです。携帯ショップの大半はキャリアではなく販売代理店が運営しており、キャリアのフランチャイズ的な位置付けとなっています。それゆえ大手キャリアの戦略や方針が、販売代理店の販売手法などに大きな影響を与えており、それが過熱化することで問題化しやすいといえます。

 かつては顧客を他社から奪いたいキャリアの方針によって、MNP(携帯電話のキャリアをまたぐ番号継続サービス)のポートイン(新規契約)数が代理店の評価へと結びついていたことが、過剰なキャッシュバックの横行につながっていました。最近では総務省のガイドラインによる実質0円販売の事実上禁止措置などによって、キャリアの方針が販売拡大から顧客満足度重視になってきたため、今回のような事象が起きたものと考えられます」

 では、アンケート回答における評価が低いと「KDDIに怒られてしまう」とは、具体的にキャリアからどのような処置がなされるのであろうか。

「特にKDDIは今年に入って顧客体験を高めるための取り組みを積極化していることから、満足度が重要な評価基準になっていると考えられます。それゆえアンケートの結果が高い店舗に対して、なんらかのインセンティブが与えられたり、逆に低い店舗に対しては指導がなされていたりしたものと考えられます」

●KDDIの見解

 実際にauショップに対しKDDIが指導を行うことはあるのか、KDDIは当サイトの取材に対し、次のような回答を寄せた。

「アンケートの主目的はauショップをご利用されたお客様からの率直なご意見を把握するために実施をしているものであり、アンケート結果によっては改善を促すための指導をすることはございます」

 また、今回のようなauショップから顧客への“要請”について、KDDIは次のような見解を示した。

「KDDIとしてはこのような手法を認めてはおらず(auショップに対して)あらためて注意喚起を促すとともに、KDDIとして適切なアンケートの運用を徹底してまいります。最後となりますが、今般の一部店舗で発生した不適切な対応により、お客様にご迷惑・ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。本事案を契機として、当該代理店・店舗のみならず、全代理店・店舗に対してアンケート取得に際しての注意喚起を実施するとともに、店舗運営において適切な業務を確保するため、店舗管理を再徹底してまいります」

 加熱する携帯電話の販売競争が、今回のような事態を招いたといえよう。
(文=編集部)