薬物の迅速検査キットにより誤認逮捕となったユタ州の夫妻(出典:http://www.vibe.com)

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犯罪とは無関係なトラックの運転手とその妻がコカイン所持の現行犯として逮捕され、その後2か月も拘置所で過ごすことになってしまった。「俺は元警察官。米軍とも仕事をしてきた」と激怒するその男性。誤認逮捕もさることながら、薬物の迅速検査キットも不正確という驚くべき話題が米ユタ州から伝えられた。

今月21日、ユタ州ソルトレイクのメディア『KUTV CBS 2』に「とんだ容疑をかけられ、鉄格子の奥に突っ込まれてしまった。まるで納得できない」と怒りをぶつけたのはトラック運転手のウェンデル・ハーヴェイさんと妻のゲイル・グリフィンさん。ハーヴェイさんは元警察官で米軍の爆薬輸送にもかかわってきたという。ところが今年5月にコカイン不法所持の現行犯として逮捕され、なんと2か月も拘置所に身柄を拘束されていたそうだ。

とんだ誤認逮捕があったのはアーカンソー州のフォート・チャフィーという町。ハーヴェイさんが妻を乗せたトラックを運転していたところ、チャック・ボーエンという警察官に呼び止められ、白い液体入りの3つの容器について職務質問を受けた。その成分は白い粉である重曹。ハーヴェイさんが「これでグリフィンの胸やけや胃の不快感が治るんだ」と説明したところ、警察官の表情が厳しいものに変わったという。

袋の中身を簡易検査にかけた警察官が出した結論は、驚くことに「3000ドル超に相当するコカインを所持」というものであった。開いた口がふさがらないまま夫妻は逮捕され、トラックも押収されてしまった。設定された保釈保証金はそれぞれ1万ドル。夫妻にはそんなお金もない上、どうせすぐに告訴は取り下げられると確信していたため、不本意ながら拘置所暮らしを甘んじて受け入れることにしたという。

ところが一向に釈放される気配がないため弁護士に相談。7月、弁護士が公安当局に対して「押収された物質についてきちんとした成分検査を」と強く要求し、やっと夫妻の無実が判明した。逮捕からすでに2か月半が過ぎていたといい、公選弁護人のグレッグ・パリッシュさんは「あの“Scott Reagent Field”という薬物迅速検査キットは最低ですね。たった2ドルと廉価なせいか現場では広く使われているようですが、今後もハーヴェイさん夫妻のような誤認逮捕の被害者をいくらでも出すのではないでしょうか」と強い憤りを示している。

ハーヴェイさんは今、インターネット募金サイトの『GoFundMe』を通じて「鉄格子に突っ込まれていたその期間、私たちの損失は非常に大きなものがありました。妻の母親が亡くなったがその葬儀に出ることも叶わず、トラックはボコボコに壊され、仕事も失い、自宅を失う恐れにも直面しています。どうか私たちを助けてください」として、善意の人々に寄付を呼びかけている。

出典:http://www.vibe.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)