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生まれたときにはすでにインターネットがあり、当たり前のように道具としてネットを使いこなしてきたネットネイティブ世代である若者が、インターネットの情報の信憑性や信頼性を確かめることが苦手であるという調査報告が挙げられています。

EVALUATING INFORMATION: THE CORNERSTONE OF CIVIC ONLINE REASONING

(PDFファイル)https://sheg.stanford.edu/upload/V3LessonPlans/Executive%20Summary%2011.21.16.pdf

Most Students Don’t Know When News Is Fake, Stanford Study Finds - WSJ

http://www.wsj.com/articles/most-students-dont-know-when-news-is-fake-stanford-study-finds-1479752576

スタンフォード大学の研究チームは、7804人の中学生を対象にしてウェブサイトの記事やFacebookやTwitterなどのSNSの情報が信頼できるかどうかを判断してもらう調査を行いました。調査は、ウェブサイトの各情報が「信頼できるかどうか」と「そう考える理由」を記述するという方法で行われています。



SNSで友達とメッセージのやりとりをしたり写真を自由自在に投稿したりできるデジタルネイティブな世代である現代の中学生ですが、調査によるとなんと普通の記事と「広告」目的で書かれた記事(広告記事)とを82%の学生が区別できなかったとのこと。例えば、広告記事として書かれた、銀行の頭取が若者がファイナンシャルアドバイスを受ける必要性を訴えるインタビューの信頼性を判断するときに、3分の2以上の中学生が「広告記事である」という事実を考慮しなかったそうです。

調査では、インターネットで見かける情報の内容の信憑性をどのように判断しているのか、学生はどの点に注目しているのかも判明しています。まず、学生が重要視するのは内容が詳細であるかどうか。また、添付されている写真が大きければ大きいほど信頼できると考える傾向にあるとのこと。

これは、「『福島第1原発周辺の花の写真』という画像の投稿が、福島第1原発周辺の環境の危険性を示す有力な証拠になるか?」という質問。



学校教育を修了した人の場合、「このような画像はPhotoshopで簡単に作成できる」「この写真が福島第1原発周辺で撮影されたものを示す証拠がない」といった理由を挙げて「証拠にはならない」と回答しています。



これに対して中学生の場合、画像に写る花の奇妙な形から即座に証拠として妥当性を認める意見や、花の変形具合が小さいことを理由に証拠にはならないと否定する意見などから、そもそも画像の信憑性について考慮していない傾向が伺えます。



インターネットの情報の信憑性に疑問を持つことの重要性やどのようにして信頼ある情報を選択するべきかなどの、ITリテラシーを高める教育が一部の学校で行われていますが、非常に少数にとどまっているのが現状です。大半の学校では伝統的な教科書ベースの教育法が採られており、メディア・リテラシーを育む教育が欠如していることを憂慮してインターネット時代に即した教育の必要性を訴える研究者もいます。