大麻業界初のニューヨーク上場企業が誕生 200億円を調達へ

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大麻関連企業としては史上初のニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たした企業が現れた。

11月17日、医療大麻関連施設の不動産投資信託を手がける「イノベーティブ・インダストリアル・プロパティーズ(Innovative Industrial Properties、以下、イノベーティブ社)」はNYSEから上場申請の認可を受けた。米国では州レベルでの大麻合法化が進むなか、連邦レベルでは依然として非合法のため、NYSEはこれまで大麻関連企業の上場を認めていなかった。

NYSEは今回の上場承認プロセスの詳細を明かしていないが、承認の背景には、イノベーティブ社の幹部が既に2社の投資信託企業の上場を果たしていることが挙げられる。イノベーティブ社会長のアラン・ゴールドは共同創業者を務めるBioMed Realtyと Alexandria Real Estateの2社をNYSEに上場させている。

カリフォルニア州サンディエゴが本拠のイノベーティブ社は、今回の上場で1億7,500万ドル(約200億円)の調達を見込み、一株20ドルで875万株を発行する。市場価値は2億200万ドル(約230億円)に達すると見られる。イノベーティブ社は医療大麻企業 PharmaCann社のニューヨークの拠点を3,000万ドルで2ヶ月以内に買収する。

上場目論見書にはリスク要因として次のような記述がある。「医療大麻の使用は、連邦法では依然として違法状態にある。そのため、法規制が強化された場合には弊社や弊社テナントの業務の遂行が不能になる場合がある」

機関投資家からの投資も期待

PharmaCann社相談役のジェレミー・ウンルーは次のように述べる。「イノベーティブ社の上場は、大麻業界にとって大きな第一歩になる。大麻関連企業にとってこれまでは資金調達の難しさが成長を阻害する要因だった。今後は証券取引委員会のお墨付きの企業として、機関投資家からの投資も期待できる」

ウンルーやニューヨークの大麻関連事業者らはニューヨーク州で、さらに医療大麻関連の法規制が緩和されることを望んでいる。「イノベーティブ社の幹部はバイオメディカル分野で多大な業績をあげている。その業績が医療大麻の発展に大きく寄与するだろう」

一方、ナスダックでは今年10月、大麻関連企業の上場申請が却下された事例がある。大麻情報のソーシャルメディア企業MassRootsのアイザック・ディエトリッチCEOは「我々は大麻の生産には一切関わっていないが6週間の検討期間を経て、ナスダックは申請を却下した。犯罪行為を助長する企業とみなされる可能性をリスク要因と考えたようだ」と述べる。

現状ではビザやマスターカード等の大手クレジットカード会社も、大麻関連の決済には対応していない。また、大麻関連企業は大手銀行に口座を開設することも出来ない状態だ。

しかし、大麻業界は今や市場関係者にとって無視できない規模に成長した。「リスク要因が懸念される中で、NYSEが上場承認に踏み切ったのは、ナスダックを出し抜きたいという意図もあったのではないか」とアイザックは述べている。

ただし、今後の先行きは依然不透明なままだ。イノベーティブ社が上場申請を行なった10月時点では、大麻に前向きな立場をとるヒラリー・クリントンの次期大統領選出が期待されていた。しかし、ドナルド・トランプが次期大統領に決まった今、大麻関連の法規制が強化される見方もある。

トランプは反大麻的なスタンスで知られるジェフ・セッションズを司法長官に任命した。今後、米国の大麻規制は一時代昔に逆行することも考えられる。