“コミュ障”は睡眠不足も一因!?他人への共感力と睡眠の関係

写真拡大

人間関係がぎくしゃくする、コミュニケーションがスムーズにいかなくて人と接するのがおっくうになるという、いわゆる“コミュ障”…。Fuminners(フミナーズ)読者のみなさんも、そんな経験はないでしょうか。実は、“コミュ障”は睡眠不足によって「共感力(相手の気持ちが理解できる能力)」が失われてしまうことが原因の一つだと、最新の研究で報告されているのです。
「共感力」が低下したら、落ち込んでいる彼女に優しい声をかけたり、怒っている上司に近づかないようにしたり、合コンで空気を読んで立ち回ったり、ということができなくなってしまいます。そんな状態では、プライベートにも仕事にもマイナス! あなたの「共感力」は大丈夫でしょうか?

徹夜明けは「共感力」が下がって、“コミュ障”になりやすい

カナダのカルガリー大学で、睡眠が「共感力」にどのような影響を与えているのかを調査する実験が行われました。
その内容は、被験者には徹夜をしてもらうとともに、その前後に感情に訴えるような画像を見せ、被験者がどのように反応するかを比較するというもの。その結果、画像が悲しいものであっても楽しいものであっても、徹夜した後は反応が鈍くなるということがわかったそう。
 
そして今回、健康な大学生34人(平均年齢21.8歳、男性19人、女性15人)に睡眠日記の記録と睡眠分析調査装置の着用を1週間行ってもらい、8日目に画像を用いた「共感テスト」を行うという実験が新たに行われました。その結果、睡眠時間が短い学生は、共感テストでの感情反応が低下したといいます。
 
つまり、通常なら相手の表情や口調などから想像し、共感できるはずの他者の気持ちや状況などが、睡眠不足になると共感しにくくなるということなのです。
 
別の調査では、医師や薬剤師など医療従事者の中でも不眠症重症度指数が高い人97人の感情を測定したところ、睡眠不足で共感力が損なわれることによって、臨床結果に悪影響を与え、医療過誤を引き起こすことさえあると指摘されています(※1)。
 
本来なら患者の様子が症状の重さなどの判断材料になるはずですが、共感力が低下していたら重要なサインを見落としてしまう可能性も…。医療や建設など命に関わる職業のみなさんには、ぜひともしっかり寝ていただいて、的確な判断をお願いしたいですね。

睡眠不足で共感力が低下する理由

そもそもなぜ睡眠不足のときに、共感力が低下して“コミュ障”になってしまうのでしょうか。
一説には、洞察力や共感力に関連するホルモンの働きが阻害されるためであると指摘されています。また、睡眠不足が認知能力や感情に関わる脳の部位に悪影響をおよぼすのではないか、という説もあります。
 
そもそも睡眠不足のときは、ストレスが溜まりやすくなったり、疲労が取れにくくなったりするもの。その影響で、些細なことにイライラしたり、余裕がなくて他者に配慮できなくなったり…そんなことが重なって、コミュニケーションに影響が出てしまうということも少なくありません。
 
いずれにせよ共感力が失われ、空気が読めなくなる“コミュ障”になってしまうと、仕事にも支障が出ますし、家族や友人との人間関係もギクシャクしてしまいますよね。たっぷりと睡眠をとることは、自分自身だけではなく周りの人にとっても重要であるといえそうです。

愛情ホルモン「オキシトシン」で人間関係も睡眠もスムーズに

「共感力」を向上させる鍵となる物質として注目されているのが「オキシトシン」。
別名「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンは、脳下垂体から分泌され、体内のオキシトシン濃度が高いほど、相手の表情を読む力、他者の感情を理解する力が高まることが分かっています(※2)。
 
他にもオキシトシンには優れた働きがあります。
 
人と積極的にコミュニケーションができるようになる他者への優しさや寛容性が生まれるストレス耐性が高まる食欲を抑制する精神が安定する痛みが緩和する愛情や信頼が増す

 
さらにストレスホルモンの分泌をおさえて精神をリラックスさせ、睡眠の質を高める働きも。
ストレスが原因の不眠にも効果が期待できるので、体内のオキシトシンを増やし、十分に睡眠をとれば、“コミュ障”が緩和され、共感力も高まって毎日ハッピーに過ごせそうですね。
 
ちなみに、オキシトシンを増やす一番簡単な方法は「スキンシップ」です。親子、夫婦、ペットなど信頼のおける相手とスキンシップをとることで、オキシトシン濃度は高まることが分かっています。となると、眠る前に家族やペットとスキンシップをとることはとても重要だといえそう。パートナーと一緒に寝ているなら、手をつなぐだけでも効果的です。一人暮らしなら、恋愛小説を読んだり、美しい風景などを見て心を感動させたり、マッサージ店で気持ちの良いマッサージを受けたりしても、オキシトシンは分泌されるそうですよ。
 
睡眠不足のせいで「共感力」が低下し、相手の感情を読み違えたり、空気の読めない発言をしてしまったり…そんなことで人間関係がギスギスしては、ストレスのもと。できるだけきちんと睡眠時間を確保して共感力を失わないようにしたいものです。
忙しくて思うように睡眠時間が取れない人、自分を“コミュ障”だと思う人は、なるべくオキシトシンを分泌させるように心がけてみてはいかがでしょうか。
 
※1 hogrefe
The Relationship Between Quality of Sleep and Emotional Empathy
※2 ナースのヒント
専門医が教える!幸せホルモン「オキシトシン」にあふれる生活の過ごし方
 

==== 編集部が1記事ずつ選んだオススメ記事 ====

【寝不足で注意力散漫に】「選択的注意力」低下のリスクとは

→寝不足の症状として、注意力が散漫になるとは広く知られていますが、その中でも、多くの情報から自分に必要な情報を選ぶ「選択的注意力」が低下するという研究結果についてご紹介しています。

【カップルで寝る】ケンカが増えたら就寝・起床時間を揃える

→ケンカの多いカップルは、就寝、起床時間を揃えると良いのだとか。その理由は?

ちゃんと眠れないと出世できない!? 「睡眠の日」に見直したい睡眠の質UP法まとめ

→睡眠の質を高めて目覚めを良くし、日中のパフォーマンスも上げるテクニックをまとめました。

二人で寝るとケンカが増える…お互いの睡眠妨害が別れの原因に

→眠りに関する好みや習慣には個人差があり、仲良しなカップルでも完璧にマッチするのは難しいもの。ある調査によれば、パートナーの影響による寝不足が離婚の原因になる可能性もあるのだとか!

セックス後、眠い理由。安眠ホルモン分泌が不眠解消に役立つ

→セックスの後、眠くなる理由をご紹介しています。パートナーとのセックスで、不眠を解消することができるかもしれません。

photo:Thinkstock / Getty Images