連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第8週「止まったままの時計」第45回 11月23日(水)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


45話はこんな話


ベビーと子供服のお店「キアリス」が開店! 
坂東営業部も大阪に小さな事務所を借り、改めて船出した。

ナレーションが大活躍


出会いはその人の人生そのものを変えます。
絶望を感じさせるのも人ならなば、喜びを感じさせてくれるのもまた人なのです。(語り/菅野美穂)

ナレ死を流行らせたのは大河ドラマ「真田丸」。「べっぴんさん」では、描かれない状況を説明してくれる。
「職を探し歩いている紀夫君です」(44話)「あてにしていた仕事を断られた紀夫君です」(45話)など、目下、言葉数が少ない紀夫君の状況説明に役立っています。ちゃんと「君」呼びでお母さんはなが見守ってくれている感じでほっこり。

トラウマ解決する人、まだの人


第5週で問題になった良子(百田夏菜子)の苦手な常連客の麗子(いちえ)がやってきた。でも良子はちゃんと「ありがとうございます」と対応できるようになった。
対人恐怖症の気持ちを、真正面から見た相手の顔で感じさせようとしているようだ。紀夫が帰ってきたとき(43話)も同じだったから。紀夫の目に映る見知らぬ人のカットをそういうふうに撮っていた。確かに真正面はちょっと圧迫感がある。

その紀夫(永山絢斗)は深い悲しみを抱えている。仕事が決まらないは、さくらは栄輔(松下優也)を「好き」だは、もう部屋が、ランプの間接照明どころか、今日はもう真っ暗に。そして、栄輔に飛びかかってしまう。うーん、つらい。

幸せの型紙


すみれ(芳根京子)は「型紙はお母さんが子供のためを思う時間、それもついてくる」と言う。
つまり、洋服の型紙というだけでなく、幸福と未来への希望の型紙なのだ。
「べっぴんさん」はみんながそれぞれ未来の型紙をつくるお話なのだと思う。
紀夫君にも型紙ができるとええなあ。

ちなみに「カーネーション」(11年)では、一歩進んで、型紙のいらない服づくり(立体裁断)をしているのだった。

今日のおもしろ


忠さん(曾我廼家文童)の「私は誰? ここはどこ?」が回転の切れ味鋭く、完全復活したのも楽しかったが、
やっぱり坂東家本家当主・長太郎役の本田博太郎。この方はしゃべり方がただただユーモラスでずるい(いい意味です)。宮藤官九郎のグループ魂には「本田博太郎」というコミックソングがあり、彼の演技や表情に惑う思いが歌われている本田博太郎。
「麻、で、洋服、を」「サマー、サマー、ドレス、」 いちいち語尾にもう一音入るようにしゃべる真意がやっぱりわからねえ。
そしてなぜか潔(高良健吾)が、真似して、低くゆっくりしゃべるのだ。
市村正親、本田博太郎、生瀬勝久、曾我廼家文童、松下優也・・・に次いで高良健吾が前向きにおもしろに参戦する気だったら「べっぴんさん」は伝説になると思うが、実際のところ、おもしろにも欲があるのか、ないのか、ミステリーです。
(木俣冬)