『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合 毎週木曜22:25〜)。第21回(11月17日放送)のコントは「囲み取材」「梅雨入り坊や」「オモえもん」「出たぞ!」の4本。約5ヶ月のあいだ音沙汰がなかった、あの梅雨入り坊やが帰ってきた!


梅雨入り坊やが宣言する梅雨は「関東地方」


平安時代から1200年の歴史を持ち、日本に梅雨入りを告げる「梅雨入り坊や」こと第35代宗家・梅雨梅雨吉(内村光良)。その梅雨入りの判断は「暦、気温、湿度、人の心のひだを敏感に察知」して行う感覚的なもの。跡継ぎの梅雨夫(星野源)はその非科学的な手法に反対しており、通信制の大学に通いエンジニアを目指している。

第4シーズンで過去3回放送された「梅雨入り坊や」の最後の放送は、6月23日の#10。この時点で、梅雨入り坊やは梅雨入りを宣言していなかった。2016年の梅雨入りは関東甲信で6月5日、一番遅い東北北部でも6月13日。日本中がとっくに梅雨入りしていたのにも関わらず、である。

あれから5ヶ月。梅雨入りを宣言しそびれた梅雨吉は、11月になった今もまだ梅雨を入れていなかった。ところで、梅雨吉が梅雨入りを宣言するのは、一体どこの地方の梅雨なのか?その答えは『Quick Japan vol.128』の「LIFE!大百科」で、総合演出の西川毅氏が明かしている。梅雨入り坊や各地方にいるらしいのだ。

「この人は関東地方の梅雨入り担当で、各地方にそれぞれ梅雨入り坊やはいるんです。他の地域は気象庁とか参考にして梅雨入り宣言をしているのに、彼はそれを受けいれない。(略)だから梅雨入り坊やの中でも関東地方は最も格式高い、歌舞伎でいうところの成田屋みたいな存在です」

その「成田屋みたいな存在」に対立する“梅雨明け太夫”としてゲストに登場したのが、澤瀉屋(おもだかや)の市川猿之助である。

コント「梅雨入り坊や」は、伝統芸能を継ぐ葛藤を描いた真面目な芝居がベース。その上で笑いが起こるのは、演者たちが見せる一瞬の間。梅雨吉を熱演する最中に入る素の「え?」、ビンタされて倒れた梅雨夫が父を見上げる表情など、要所要所に一瞬だけ笑うポイントを差し込む。「うそ太郎」などのキャラで“押す”コントに比べると、“引き”のコントとも言える。

その“引き”は市川猿之助との相性もよかった。梅雨入りをうながしに現れる梅雨明け太夫。梅雨入り坊やと顔面すれすれで立ち会い、歯向かう梅雨夫を踏みつけて見得を切り、最後は梅雨入り坊やの「梅雨入り〜」と共に朗々と「梅雨明け〜」を宣言する。ゲストに登場したのがこのコントでよかった。「HOTなカマタくん」だったらどうなってただろう。

オモえもん「地球なんて……」


「オモえもん」、今回はサトシくん(ムロツヨシ)の日記をオモえもん(星野源)が盗み読み。サトシくんが自分の誘いを断ってユメカちゃんと遊んでいたことを知ったオモえもん。知らないふりをして「サトシくん……先週の金曜日なにしてた?」と目を合わせないで聞く。こわい。

「人の日記を見るなんて最低だぞ!」というサトシくんの主張に、「今は見たか見てないかじゃなくて君が僕に嘘をついたかついてないかの話をしてるんだよね!」というロジックで返すオモえもん。このやりとり、「浮気をしている彼氏」と「彼氏の携帯をこっそり見た彼女」そのままである。

しかし人間の彼氏彼女と違うのは、オモえもんがタイムマシンで過去を確かめに行けるということ。タイムスリップを必死で止めるサトシくんに、オモえもんは「僕はね、嘘をつく人間が一番嫌いなんだ」と冷たい目で対峙する。

オモえもん「僕を騙すとどうなると思う?」
サトシくん「え……?」
オモえもん「地球なんか、簡単に壊せるんだよ」
サトシくん「……」

そういえば本家『ドラえもん』にも「地球破壊爆弾」というひみつ道具があった。ドラえもんはネズミを退治するために地球破壊爆弾を使おうとしたので、オモえもんもそれくらいカジュアルに地球を破壊しちゃうかもしれない。つまり、地球の運命はサトシくんにかかっている。それもまた重いな……。

今夜11月24日(木)放送の『LIFE!』第22回では、田中の名作「コンテンポラリーダンス」が復活!塚地&星野の「カメラ写りのいい女」もまさかの続編で登場です。

(井上マサキ)