EMS(国際スピード郵便:Express Mail Service)は、書類でも品物でも非常にスピーディに送れることがウリだ。ほとんどの国と地域で利用できるが、EMSで北朝鮮に荷物を送った人たちから不満が噴出している。EMSのメリットが全くないからだ。

平壌に親戚がいる中国の情報筋によると、EMSで手紙と小包を何度か送ったが、料金が高い割には、非常に時間がかかり、やり取りに1ヶ月半もかかったとのことだ。これでは通常の郵便と全く変わらないと嘆く。

中国の国境都市に住む別の情報筋によると、平壌に一般国際郵便で封書を贈る際には5元(約80円)で済むが、これをEMSで送れば100元(約1600円)もする。

一般郵便の場合は20グラムから送ることができるが、EMSは最低500グラムからで、単位が異なるからだ。ちなみに一般郵便で500グラム分を送れば料金は33〜64元(530〜1030円)になる。

また、EMSのメリットの一つであるトラッキングサービスは、北朝鮮向けの荷物の場合に限り使えない。送ったものがどこにあるか、宛先に届いたかを確認できるこのサービスだが、荷物が国境を越えて北朝鮮に入った瞬間から、追跡ができなくなる。これは、北朝鮮がインターネットやGPSの使用を認めていないことが原因と思われる。

中国郵政は、郵便物が中国国内にある限りはできる限りのことをするが、北朝鮮に行けば一般郵便と同じ扱いになってしまい、それについて中国では責任を取れないという。万国郵便条約で定められていることなので、中国の郵便局を責めてもどうしようもないのだ。

ちなみに、日本の郵便局では、北朝鮮向けのEMSは受け付けていない。サービスの質を確保できないからだろう。