南鳥島沖の海底にレアメタルやレアアースといった貴重な資源が大量に存在していることが判明し、中国では「レアアース大国としての地位が脅かされる」と危機感を示す声が高まっている。だが、中国鉱業報は20日、日本が深海のレアアースを開発し、資源大国になるための道のりは「非常に遠い」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 南鳥島沖の海底にレアメタルやレアアースといった貴重な資源が大量に存在していることが判明し、中国では「レアアース大国としての地位が脅かされる」と危機感を示す声が高まっている。だが、中国鉱業報は20日、日本が深海のレアアースを開発し、資源大国になるための道のりは「非常に遠い」と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本がレアアースの消費大国であると同時に、レアアースの80%以上を中国から輸入していることを指摘し、「日本はレアアースの調達を中国に依存している」と指摘。日本は2000年ごろからレアアースの調達ルートの多元化を検討し始め、2010年に中国がレアアースの輸出制限を行ったことから、日本にとってレアアースの安定調達が大きな課題となったと論じた。

 続けて、日本は海底資源探査に関する高い技術力を活かし、近年は海底資源の探査に力を入れており、南鳥島近海の海底に莫大な量のレアアースが存在することも確認されていると紹介。一方で、深海の海底からレアアースを採取することは「非常に難しい」と指摘したうえで、それをビジネスとして行うには非常に多くの課題があると指摘。仮に現在の技術で南鳥島周辺のレアアースを採掘しようとしてもビジネスベースでの開発は不可能であり、市場価格が変動すれば、採掘企業は破産リスクにさらされると主張した。

 さらに、経済産業省が2016年7月に発表した「レアアース堆積物の資源ポテンシャル評価報告書」の内容に言及し、「レアアース価格が2011年の過去最高水準を20年間維持して初めて、海底からの採掘に経済性が見いだせる」と分析されていることを紹介。また、同報告書では「代替材料開発」や「リサイクル」といった取り組みによって供給リスクは低減しているうえ、市場規模が小さく、レアアースは価格乱高下の可能性が高いため、開発リスクの高い資源だと結論付けられていることを伝えつつ、日本が深海のレアアースを開発し、資源大国になるための道のりは「非常に遠い」のが現実と論じた。

 深海のレアアースをビジネスとして開発することに多くの課題があるのは事実だ。だが、それは将来性がないという意味ではない。技術が進歩することは歴史が証明しており、深海の海底からレアアースを安価に採取できる技術が開発されることを期待したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)