23日、日本テレビ「1周回って知らない話」では「芸歴20年 長嶋一茂(50) 大スターの父親との切なすぎる過去を告白」として、国民的大スター・長嶋茂雄氏を父に持ち、現在はタレントとして活躍する元プロ野球選手・長嶋一茂氏がゲスト出演。その生い立ちやプロ野球選手時代のエピソードを明かした。

「NGないです。なんでも大丈夫です」という一茂氏。まずは視聴者の疑問として「なんでそんなに偉そうなコメントするの?」と訊かれるや、「スーパースターの長嶋茂雄の息子だったので皆様からは想像もできないほど屈折してます」とキッパリ。「やっぱり社会に対しての見方が偏っているというか、自分が勝手に偏見を持っちゃってる」と続けた。

そこには一茂氏の生い立ちに理由があるという。長嶋氏の長男として生まれた一茂氏は、幼少の頃から特別扱いを受け続けた。少年野球チームに入れば、うまくもないのに4番サードで背番号は90番。マスコミもつきまとい、友達は離れ孤立したほか、知らない大人から長嶋氏へのアピールとして突然お金や高価なプレゼントを貰うなど、10歳の頃にはすでに本当の自分と向き合ってくれる人がいないことを悟っていたという。

そんな大人達について、「俺のことは全く好きでもなんでもない。プレゼントを渡したい気も全くない。親父のため」と語った一茂氏は、「一番堪えたのは友達が離れていったこと。楽しく野球をやりにいって自分だけ(マスコミに)囲まれちゃうと、周りの友達は引いてく」とも。

それでも一茂氏は、一度は辞めた野球を高校時代から再開すると、東京六大学野球で活躍するまでの選手に。1988年にはドラフト1位でヤクルトに入団したが、思うような成績は残せず、1993年にトレードで巨人へ移籍を果たした後、1996年に引退した。

巨人在籍時代に「4年間で一度も(長嶋氏と)喋ったことない」と話し、他のゲストらを驚かせた一茂氏は、実の父から戦力外通告を受けた時のエピソードも明かした。

「親父だけど、監督と選手の間だから(会話は)一度もない。辞める年に体も壊して発作みたいなものが起きてパニック症候群になって。ぐるぐる天井が回っちゃって一歩も家から出れない」。

こう切り出した一茂氏は、「親父から引退勧告されるのは10月か11月。4年間一回も喋ったことないのに電話かかってきて、"お前家来い"って呼ばれたから、そういうことなんだなってすぐ分かった。"お前、来年の戦力に入ってないから"って言われて、"はい、わかりました"って言って帰ってきた」と告白。その上で「親父にそんなこと言わせちゃった自分がなんてダメな男なんだろうって思った。言わせたくなかった」と振り返っている。