中国製の医薬品・化粧品は危険すぎる!(shutterstock.com)

写真拡大

 世界市場に氾濫している中国製品だが、その危険性は、あらゆる分野に及んでいる。そのひとつが医薬品原料だ――。

 2013年7月1日、国際環境団体グリーンピースは、米国や英国など7カ国で行った中国産中医薬原料の残留農薬サンプリング調査の結果を公表した。サンプルには各種の農薬が残留しており、WHO(世界保健機関)が劇薬に指定している薬品も検出された。しかも、その多くが、EU(欧州連合)の基準値を上回っていた。

 こうした事態を受けて英国は、中国製医薬品の取り扱いを中止した。

世界の原料薬の5分の1以上を中国産が占めている

 中国が世界的な医薬品原薬の生産拠点であることはあまり知られていない。中国が世界に供給している医薬品原料は、抗生物質、免疫抑制剤、ワクチン、ステロイド等々、その数は1000品目を下らない。

 2009年のデータでは、中国は1500種あまりの医薬品原料を生産。生産量は200万トン以上にもなり、世界の原料薬の5分の1以上を占めている。また、医薬品原料の生産高は毎年10%以上の伸びを示し、医薬品原料生産は「中国医薬品工業の大きな柱」と言われている。

粗悪な中国製医薬品原料を使ったために販売中止

 中国製医薬品原料は181ヶ国・地域へ輸出され、もちろん日本も大量に輸入している。こうした中、2013年2月、中国から輸入した原料が粗悪だったとして、製薬メーカーが薬品の販売を一時中止するという騒動がに起きた。新聞各紙は、概ね次のように報じている――。
 
 〈沢井製薬は、 カルバペネム系抗生物質製剤「メロペネム点滴静注用0.25g『サワイ』/同0.5g『サワイ』」 の販売を一時休止した。原薬のメロペネム水和物を製造する中国・海正社の原料製造所で問題が発生し、原薬を安定的に入手できなくなった。沢井製薬は同剤の製造を日本のアピ社に委託しているが、アピ社で行った原薬の品質試験で沢井が定める基準を下回ることが判明した〉

 「サワイ」よる薬害は起きなかったが、中国製医薬品の中には、たった1粒服用しただけで、翌日、低血糖症を起こして入院したケースがある。
中国製の「バイアグラもどき」を個人輸入し意識障害

 30歳代の男性が、インターネットの個人輸入代行で中国製のバイアグラもどきを購入して1粒服用したところ、低血糖症による意識障害に陥ったのだ。

 入院治療の結果、健康を回復したが、この精力剤を専門機関で分析したところ、医薬品成分である「グリベンクラミド」などが検出。グリベンクラミドは「糖尿病治療薬」として承認されているが、通常、最大使用量を大幅に上回る量を含有していた。

 厚生労働省は2014年1月、中国製の健康食品で似たような事例が過去にもあったことから、具体的な7つの商品名を挙げ、「これらの製品は、医薬品の成分が検出されており、健康被害の発生するおそれが否定できないと考えられます」と、注意を促している。7つのうち、中国産か中国産原料を使った商品が5つ、残りはミヤンマー製が1つ、不明が1つだった。

中国製化粧品に違法なステロイド成分

 化粧品でもとんでもないことが発覚した。ステロイド入りの中国製化粧品が日本に輸入され販売されていることが明らかになり、製品回収、販売中止になったのだ。2016年5月25日付け読売新聞は、以下のように報じている。

 〈化粧品への配合が禁止されている成分を含んだ保湿クリームを販売したとして、東京都は5月24日、医薬品医療機器法に基づき化粧品などの販売会社『日中友好開発』(新宿区)に製品の販売中止と回収を指示したと発表した。指示は23日付け。健康被害の報告はないという。
 発表によると、問題のクリームは『バラクリーム』と『三黄クリーム』の2製品。同社が中国から輸入し、同社が経営する『鶴薬局』で1992年から販売していた。最近では1週間に、それぞれ100個程度を販売していたという。
 都が昨年5月、購入者からの情報提供を受けて成分を調べたところ、化粧品への配合が禁止され、医薬品としても未承認のステロイド成分が検出された。都は緑内障などの副作用を起こす可能性があるとして購入者にクリームの使用を中止し、医師に相談するよう呼びかけている〉

 新聞記事では「健康被害の報告はない」と、お決まりのことが書かれているが、冗談ではない。被害は表面化していないだけに違いない。

医薬品成分として日本では認められてはいないステロイド

 ステロイドとは、臓器の副腎から分泌される「副腎皮質ステロイドホルモン」のこと。医薬品のステロイド成分は化学合成されたもので、数多くの種類がある。接触皮膚炎やアレルギーなどの治療薬として使われているが、副作用が強く、以前から論議を呼んでいる医薬品成分だ。

 中国製化粧品に使われていたのは、「トリアムシノロンアセトニド21-アセテート」というステロイド成分で、日本で医薬品として承認されているステロイド成分「トリアムシノロンアセトニド」の類似化合物だ。

 しかし、「トリアムシノロンアセトニド21-アセテート」は、医薬品成分として日本では認められてはいない。当然、化粧品への添加も禁止で、化粧品に配合すれば、医薬品医療機器等法違反になる。医薬品医療機器等法は、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といって、旧薬事法のことだ。2014年11月25日の薬事法大改正で施行された。

 つまり、旧薬事法違反に問われたわけだが、ステロイド成分を化粧品クリームに使うなど、それ自体があってはならないことだ。ステロイド剤は、皮膚の湿疹、蕁麻疹、アトピーなどアレルギー性皮膚炎などの治療に用いられるが、医師の適切な指示の下で使わないと、副作用に見舞われる恐れがある。

 ステロイド剤の副作用には、主に2種類あり、ひとつは全身的副作用といって、「顔が丸くなる」「骨がもろくなる」というように症状が全身レベルで現れるものだ。もうひとつは、長期連用した場合に「皮膚が薄くなる」「ニキビができやすくなる」など、塗った部分に症状が現れる「局所的副作用」と呼ばれるものだ。また、都が指摘しているように緑内障の原因にもなる。

 「トリアムシノロンアセトニド21-アセテート」は「トリアムシノロンアセトニド」の類似化合物だが、「トリアムシノロンアセトニド」を成分にしたステロイド剤の注意書きには、「大人:連続使用は2週間以内。子供:連続使用は1週間以内」と記されている。

 ある薬剤師は「ステロイド剤を化粧下地やひげそり後の使用など、治療目的以外に用いるのは危険だ。同じ箇所に毎日、長期に渡って使用すれば、局所的副作用が起こりやすいことがわかっている」と指摘する。

 化粧品の保湿クリームなら毎日使われる。それが18年間も日本で違法に使われていたのだ。おそらく多くの利用者が健康被害に遭っていると思われるが、化粧品が原因とは知らずにいる可能性が高い。

 さらに、近年では中国がアミノ酸(グルタミン酸ナトリウムなど)を世界に供給し始めたことから、世界的にアミノ酸がだぶつき、医薬品や食品、化粧品、合成洗剤に至るまで、あらゆる分野に利用されるようになりた。また、ステロイドも中国が生産大国になり供給過剰になっている。中国が生産過剰になっているステロイドを化粧品の次は何に配合するのか非常に不気味だ......。


郡司和夫(ぐんじ・かずお)
フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べた』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー