MakeUseOf:リモートワークは多くの人にとっての夢です。通勤や社内の面倒な人間関係にさよならできるかもしれないと想像してみてください。素晴らしいと思いませんか?

ただ、自分はリモートワークできるとわかっていても、上司を説得してリモートワークを認めてもらうのは、決して簡単なことではありません。上司は「仕事に差し障りが出る」、「生産性が落ちる」、「メールへの返信を後回しにして皿洗いをするだろう」と考えるものなのです。

リモートワークさせてほしいと上司に願い出るつもりなら、下準備が必要です。せめて試験的にリモートワークをさせてもらえるよう、交渉するための確固たる理由を見つけなければいけません。

この記事の最後では、上司にリモートワークを願い出る際に役立つセリフを一言一句詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。

自分にとってどんなメリットがあるのか?


「Global Workplace Analytics」によると、アメリカにおける仕事のうち、50%以上が「少なくとも部分的には(オフィスに出勤する必要のない)テレワークが可能」なのだそうです。現在、米国の全労働人口の約4分の1が「ある程度の頻度で」リモートワークを行っています。

これはまだ序の口です。2005年以降、アメリカのリモートワーカーの数は2倍以上に増加し、全労働人口の80%〜90%が、少なくとも部分的にリモートワークを行う機会を望んでいます。

Microsoftが実施した調査では、リモートワークというアイデアが非常に魅力的である理由が示されています。リモートワーカーが挙げる利点の上位5つは以下の通りです:

仕事と私生活のバランスがより健全になる(60%)ガソリン代(もしくは交通費)が節約できる(55%)通勤時間を短縮できる(47%)リモートワーク時の生産性が向上する(45%)気を散らすものが少ない(44%)

これらの利点を考慮すると、リモートワークは当然の選択肢のような気がします。けれども、上司の視点から考える必要もあります。上司はたくさんの懸念を抱くでしょうから、上司を安心させる情報やツールを準備しておかなくてはいけません。


上司に願い出る準備をする


リモートワークを認めてもらうということは、「誰も見ていなくても仕事に集中できると自分を信頼してほしい」というだけでなく、「これまでのようにたくさんの指示を受けなくても仕事ができる、と自分を信頼してほしい」と頼むことでもあります。これを突き詰めると、生産性に関する懸念に行き着きます。

幸い、これらの懸念は誤りであることが、数多くの研究で明らかになっています。あなたの上司がとりわけ生産性の低下を懸念しているのであれば、以下に紹介するさまざまな研究を確認できるよう、上司にリンク先を送信するのも良いかもしれません。


リモートワーク vs 生産性

スタンフォード大学のある研究によると、在宅勤務によって生産性が13%向上することが明らかになっています。詳しい内訳としては、「9%は勤務時間帯ごとの労働時間が増える(休憩回数と病欠が減少する)ためであり、4%は1分間あたりの電話回数が増える(より静かで便利な労働環境の恩恵を受ける)ためである」としています。

2015年の調査よると、労働者の52%は「リモートワークをしている時は病気でも休みを取ろうとせず(中略)全体的に見ると、44%がより前向きな姿勢になり、53%はストレスが減ったと報告している。51%が大切な人とより多くの時間を過ごすようになり、仕事の満足度も高まっている」ことがわかっています。

2014年度の「State of Telecommuting PGi報告書」によると、リモートワーカーの82%はストレスが軽減し、80%はやる気が高まり、70%は生産性が向上し、69%は常習的欠勤率が改善したことがわかっています。

ここでは言及されていませんが、間接費(事務用品やスナックを含む)を節約できる可能性や、環境への好影響、従業員の離職率の減少というメリットもあります。


いつ上司に願い出るか?


上司にリモートワークを願い出るタイミングは重要です。上司があなたの仕事に対して肯定的で、信頼を置いている時に提案するのが良いでしょう。

ベストセラー書籍『I Will Teach You To Be Rich』 の中で著者のRamit Sethi氏が指摘しているように、肯定的な業績評価を受け取った直後に願い出るのが理想的です。


実際に申し出る準備


これまでに挙げた研究を読んで、リモートワークのメリットを上司が納得したとしても、実務的な問題が立ちはだかり、実際に認めてもらえない可能性があります。

というわけで、リモートワークを願い出る前に、実際にどうやって家で仕事をするのか、手順や計画を立てなくてはなりません。その目的は、上司にできる限り不便をかけないようにすることです。上司との交渉に臨む前に、どの角度から検討しても問題がないよう、そしてリモートワークが会社にとって有益であると売り込めるよう、準備を整える必要があります。

リモートワークの手順や計画を簡潔な文書にまとめて、上司が後でさらに詳しく検討できるようにするのがベストです。その方が、どうやってリモートワークを行うのか長広舌をふるうより有効です。

文書に含めるべき内容については、以下に挙げるリストを参考にしてください。


就労時間内における改善点

オフィスでのワークフローにおける、現時点の不満の種や障害を説明しましょう。オフィスの机に向かっていると、雑音が多すぎるのかもしれません。パソコンの動作が遅すぎるということもありえます。もしくは長時間の通勤で燃え尽きたように感じている人もいるでしょう。

これらの問題が、部分的にでもリモートワークが可能になることでどう解決に向かうのかを指摘しましょう。


インターネットの接続問題

上司は、あなたの自宅では安全かつスピーディーなインターネット接続が確保できないのではないかと心配しているかもしれません。「SpeedTest」や「Fast.com」などのサイトを利用して、自宅のインターネット接続のスピードをテストし、自宅のネットワークが一定の水準に達していることを確かめましょう。

Wi-Fiが何らかの理由で使えなくなった場合に備えて、コンピューターに直接接続できるイーサネットケーブル(LANケーブル)を準備しておきましょう。有線の方がより確実です(おまけに速いです)。最後に、インターネット接続に関して重大な問題が発生しても、必要に応じてすぐにオフィスに駆けつけることができると言えば、上司を安心させることができます。


ソフトウェアと社内データへのアクセス

たとえ自宅でできる仕事でも、特定のアプリケーションソフトにアクセスしなくてはいけない可能性があります。自宅からそういったソフトすべてにアクセスが可能であることを確かめましょう。会社からノートパソコンを支給されているのであれば、アクセスは簡単なはずです。私物のパソコンを使うつもりなら、各ソフトウェアに安全に接続できる方法を見つけておかなくてはなりません。

会社のコンピューターサーバーにあるデータにアクセスする必要があるのなら、すでにVPN接続を利用できるのかもしれません。まだ利用できない場合は、IT部門に相談すれば助けになってくれるでしょう。


定期的に連絡を取る

上司の懸念には、リモートワークを許してしまうと、会社で働いている時に比べて連絡が取りにくくなるのではないかというものがあります。

上司の心配を和らげるために、会社で働いている時とまったく同じように連絡が取れることを説明しましょう。その手段は、電話や電子メール、『Skype』、『Googleハングアウト』、会社が導入しているコミュニケーションツール(『Slack』や『チャットワーク』、それに変わる手段)など、どれでもかいまいません。必要なら、リモートワーカー向けのそういったコラボツールを1つ、提案してみても良いでしょう。


進捗状況の確認

あなたが自宅で行っている仕事を上司が監視できるようにするために、進捗状況を定期的に報告することを提案するのも一案です。これは、自分が毎日/毎週やり遂げたこと、その時点で抱えているすべての問題、大きな進展を遂げたことを説明する方法となります。

似たような方法をまだ取り入れていないのであれば、簡単なやり方を導入しましょう。わかりやすい形としては、1日の終わりや週末にメールやスプレッドシートを送信して、上司が最新の進捗状況を把握できるようにする方法があります。あるいは、毎週金曜日に翌週の目標を定めたプランを送信してもいいでしょう。


リモートワークを願い出る


肯定的な業績評価を得た後に上司に言うセリフを、Ramit Sethi氏の著書『I Will Teach You To Be Rich』から引用します:


将来は会社にもっと貢献したいと思っています。しかし最近は、通勤するだけでぐったりです。もし週に1日か2日リモートワークができたら、状況が変わってくるのではないかと考えています。


もし上司にあっさりと「申し訳ないが、うちではリモートワークは認めていないんだ」と言われたとしても、この問題を会社にとっての好機に変えるチャンスだと考えましょう。


わが社がこれまでリモートワークを許可したことがないことはわかっています。しかし、これは会社にとって大きなチャンスかもしれません。私たちにはすべてを可能にするテクノロジーがあります。もしうまくいけば、適任者がなかなか見つからない○○のポジションを埋められる候補者を見つけられる可能性が出てきます。それに、これまでの私の業績を見ていただければ、限られた範囲で私にリモートワークをやらせてみてもリスクはそれほどないはずです。うまくいかなければ、いつでも従来の勤務体系に戻すことができます。いかがでしょうか?


Sethi氏は、この時点でいったん黙り、答えを待つようにとアドバイスしています。しかし、私が勧めたいのは、リモートワークは間違いなく実行可能であり、必要であればリモートワークのやり方をすべて説明した文書(前述したもの)を提出できると言い足すことです。

あとは、上司が試験的なリモートワークの導入に同意してくれることを祈りましょう。そして、すべてがうまくいき、この記事で紹介したリモートワークのメリットに気づき始めれば、もっと頻繁にリモートワークをしたいと言い出しやすくなるはずです。

もし上司を説得して在宅勤務を認めてもらえたら、あなたの人生はどんなふうに変わるでしょうか? あなたには在宅勤務をうまくやり遂げるための自制心が備わっていますか?


Want to Work From Home? Here's How to Convince Your Boss|MakeUseOf

Rob Nightingale(原文/訳:松田貴美子/ガリレオ)
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