昨年12月6日、平塚市内の認可外保育所『ちびっ子BOY』で生後4カ月の出縄望翔(いでなわ・りんと)ちゃんが死亡した事件で、当時勤務していた保育士、角田悠輔容疑者(34)=傷害致死容疑で逮捕=に新たな容疑が浮かび上がった。別の女児の衣服を脱がせ撮影していた疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かったのだ。 捜査関係者によると角田容疑者は昨年9月ごろ、認可外保育所『ちびっ子BOY』で、預かった女児の衣服を脱がせてスマートフォンで撮影するなどした疑いが持たれている。

 11月10日、神奈川県警平塚署は、横浜市に住む、角田容疑者を、児童ポルノ禁止法違反などの容疑で再逮捕した。角田容疑者は10月21日、勤務する保育所での男児に対する傷害致死容疑により逮捕、起訴されている。
 「角田容疑者が逮捕されたのは司法解剖の結果です。頭部に残っていた傷は床に叩き付けられた際にできるものと断定、これが角田容疑者によるものと見られているのです」(捜査関係者)

 望翔ちゃんが預けられた夜、勤務していたのは角田容疑者のみだったという。保育所内に設置された監視カメラ映像にも、望翔ちゃんが殺害されたと思われる事務室に頻繁に出入りする角田容疑者の姿が映し出されており、県警は10月の逮捕に踏み切った。
 「角田容疑者は一貫して容疑を否認している。利用者の話では、角田容疑者しか犯人は考えられないというものと、子供に誠心誠意尽くし、預けていれば安心だった彼が殺すはずがないという見方と二分している」(全国紙社会部記者)

 角田容疑者は高校卒業後、福祉専門学校で保育士の資格を取得しており、経験は長い。父親にも「子供といると楽しくて、この仕事は自分にとって天職だ」などと話していたという。
 「ところが今回、角田容疑者の私物のパソコンから、保育所に預けられた児童たちの裸の画像が多数見つかり再逮捕となった。その中には、望翔ちゃんのものは含まれていないようですが、熱心に子供の面倒を見る裏で、自分の異常癖を満たしていた可能性が高まっているのです」(同)

 一方で、この保育所の管理体制の問題も明らかになっている。『ちびっ子BOY』はJR平塚駅から徒歩約5分の場所にあり、24時間応対を売りにしていた。そのため水商売などの深夜勤めの母親などにも人気で、常に定員いっぱいの状態だったという。
 「しかし、夜間担当が角田容疑者1人だったりと、かなり、ズサンな体制だったようです。そんな状態を知られたくなかったのか、角田容疑者の逮捕後に保育所のパソコンが破壊され、経営者の男(49)も証拠隠滅の疑いで逮捕されたほどなのです(処分の保留のまま保釈)」(同)

 角田容疑者は2006年に専門学校を卒業後、東京都や神奈川県の保育所や児童養護施設を転々としていた。幼児の体を触った強制わいせつ罪で懲役3年の実刑判決を10年11月に受け、控訴せずに服役。児童福祉法では保育士が懲役刑を受けた場合、「刑を終えて2年間は保育士として登録できない」と定めており、角田容疑者は出所後、保育士登録を取り消されていなければならなかった。では、なぜ保育士として居続けられたのか、それは「警察などから通知される仕組みはなく、報道がなければ把握できない」からだ。誰がどのようにチェックするのか、仕組みそのものを見直さなければならない。