草食系っぽい顔のカレ、いい香りがステキ(イラスト・サカタルージ)

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「このにおい、女性に嫌われているだろうな」と服をクンクン嗅ぎながら、デオドラントを始めようと思ったアナタ。ちょっと待って。

実は、女性が好ましく思う「オトコのにおい」がある。マッチョな男ではない。一見、ヤサオトコ風で文字通りの「草食男子」だという。野菜をモリモリ食べると、女性をひきつける体臭になるという研究が最近発表された。

野菜のカロテノイドで「セクシー男」に

この研究をまとめたのは、オーストラリア・マッコリー大学のイアン・スティーブン博士(心理学部)のチームだ。人類進化の専門誌「Evolution and Human Behavior」(電子版)の2016年8月20日号に論文を掲載した。

論文によると、動物のオスの体臭は繁殖期になると強くなり、メスをひきつける。より魅力的な体臭を持つオスが求愛活動の中でメスに選ばれて子孫を残し、進化を続けてきた。研究チームは、人間の女性も同様に「繁殖行動」では、男性の体臭を選択の1つにしていると考え、どういう食生活を送っている男性の体臭が、女性にとって魅力的なのか調べることにした。

そこで、体臭の指標に選んだのが植物特有の天然色素「カロテノイド」だ。高い抗酸化力があり、野菜を多く食べカロテノイドをたくさん摂取すると健康にいいことが知られている。また、スティーブン博士の以前の研究では、体内にカロテノイドが多い男性の肌は黄色くなり、それが女性にとって健康的に見えるため、魅力度がアップすることがわかっている。つまり、野菜を多く食べる男性は、まず外見(肌の色や輝き)から女性をひきつけるのだ。

今回、研究チームは18〜30歳の男性43人から脇の汗のサンプルを採取し、9人の女性ににおいを嗅がせ、魅力度(嫌悪度)を判断してもらった。男性たちには、次の2つの方法でどれだけ野菜を食べているかをチェックした。

(1)食生活をアンケートで聞き、毎日の野菜・果物・穀物・肉・魚介類などの摂取量を調べる。

(2)肌の色素の量を測定する「分光光度計」を使い、皮膚の細胞に含まれているカロテノイドの量を検査する。これによって、カロテノイドの摂取量(野菜・果物の摂取量)をより精密に測ることができる。

パスタとパンを食べすぎる男は最悪の体臭

この結果、次のことがわかった。

(1)アンケート・分光光度計の両方の検査から、野菜や果物を多く食べている男性の体臭ほど、女性にとって好ましい評価を受けた。女性たちは「花のような甘いフルーティーな香りと、薬のようなにおいがした」と説明した。

(2)一方、肉や魚介類など動物性タンパク質を多く食べている男性ほど、女性にとって好ましくない評価を受けた。女性たちは「キツクて嫌なにおい。近寄りたくない」と説明した。ただし、大豆類など植物性タンパク質を多く食べる男性のにおいは、野菜・果物が多い男性同様に好感をもたれた。

(3)すべての汗の中で、ツーンと鼻につき、女性たちに「最悪のにおい」と嫌われたのが、意外にもパスタ、パン、菓子などの炭水化物を多く食べる男性だ。

女性にモテたければ、サラダや果物を多く食べて肉食を控える「草食男子」になるのが一番ということになる。それにしても、なぜ野菜を多く食べる男性を女性はセクシーに感じるのか。

スティーブン博士は、論文を紹介した英紙「デイリー・メール」(2016年8月23日付)の取材にこう答えている。

「長い進化の過程で、求愛される側の女性は、生殖活動に敏感になり、健康的な男性を伴侶に選ぶ能力を身に着けてきました。カロテノイドを多く摂取する人は、現代の医学でも健康で長生きをすることがわかっています。女性は、男性選びに肌の色とにおいを判断材料にしてきたのでしょう。同じことが女性のにおいにも当てはまるか、さらに多くの実験を行ないます」