22日の記者会見で利用者などに謝罪するトランスアジア航空の林明昇・董事長(中央)

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(台北 22日 中央社)トランスアジア航空は22日、臨時の取締役会で解散を決めた。2014年と2015年に40人以上の死者を出す墜落事故を相次いで起こし、経営改善に向けて改革が進められていた矢先の出来事に、各方面で衝撃が広がっている。

▽今年は第3四半期までの損失=およそ77億円

林明昇・董事長(会長)は、墜落事故後、会社の革新を図り、社員一丸で努力してきたとしながらも、業績が以前の水準に回復しなかったと吐露。航空業界を取り巻く不景気のあおりを受け、今年は第3四半期までの損失が22億台湾元(約76億5000万円)に達したことなどから解散を決めたと語った。

理由を明らかにしないまま22日の全便が欠航となったことについては、乗客の権益と飛行の安全を考慮したためと説明。現在の資本金は約50億元(約174億円)で、乗客や従業員、協力会社への保障などは十分に対応できるとし、最後の責任を果たすとした。

▽乗客からは戸惑いの声

同社便が就航していた空港では、22日も係員が出勤したものの、カウンターでの払い戻しは受け付けず、一部の乗客が無駄足を踏んだ。同社が唯一台北や台中への路線を運航していた花蓮空港では4便が欠航。乗客は「花蓮の人がかわいそう」と嘆いた。桃園空港で欠航証明書を受け取った女性は「航空会社がこんな適当に運航を停止するのはひどい」と不満を口にした。

同社は12月1日と2日には、台北―福岡、釜山線にそれぞれ就航する予定だった。すでに11月上旬に台北で開かれた旅行フェアで2000枚の航空券を販売。家族と福岡で年を越そうと購入した女性は「まさかキャンセルになるなんて」と驚きを語った。

▽旅行団体が損害賠償求める動き

旅行代理店の雄獅旅行社によると、影響を受けた旅行者は、22日だけ6ツアー139人。全額返金に応じるほか、ツアー変更や帰国の支援をする方針。燦星旅遊は、来年の1月下旬の旧正月連休まで約2100人が影響を受け、5000万元(約1億7000万円)の損失になると予測している。

台北市旅行公会の呉志健理事長は、突然の運航停止で消費者や旅行会社に十分な時間を与えず、すべての損失はトランスアジア航空が負担しなければならないとコメント。複数の旅行会社で集団訴訟を起こすことも辞さないとした。

▽影響は来年の旧正月にも

各旅行会社では本来トランスアジア便に搭乗する予定だった乗客にどう対応するか頭を悩ませている。特に上海や離島を結ぶ便では旧正月の空席がなく、当初の予定通りに旅行ができない恐れが高い。影響は当面の間続きそうだ。

(陳葦庭、李先鳳、卞金峰、汪淑芬、江明晏/編集:齊藤啓介)