大相撲九州場所で横綱白鵬(31)が3日目の11月15日、通算1000勝を達成した。外国出身力士では初めての快挙だ。それに対して日本人力士だが、この九州場所で18年ぶりの和製横綱は誕生するのか。

 最大の注目は先場所、全勝優勝して大フィーバーを巻き起こした大関豪栄道(30)の綱取りだ。
 師匠の境川親方(元小結両国)は長崎県出身。しかも、九州場所担当部長ということもあって、前人気は上々だったが、実は先場所に比べると盛り上がりはいまいち。原因は豪栄道を取り巻く力士たちがそろって不安を抱えていたり、調子がいまひとつだからだ。

 まず横綱白鵬(31)。先場所、右足首などのケガで横綱になって初めて全休。場所前に行われるよその部屋の関取との稽古もたった3日間だけ。三役以上とは1番もやらず、「大丈夫か?」と心配する声がある。「お願いします。出せてください」と、おどけた口調で横綱は返したが、この程度の稽古量では相撲勘が戻るはずもないと思われたが、あと3勝に迫っていた史上3人目の1000勝も3日目で達成した。

 同じ横綱日馬富士(32)は福岡入り後、風邪を引き、調整ペースが大きく狂った。
 「場所前の稽古で注目力士を徹底的にたたくのが日馬富士独特のやり方。先場所も横審の稽古総見で稀勢の里に圧勝し、そのショックから綱取りに失敗しました。今場所も、境川部屋に出稽古して豪栄道潰しを試みましたが、体調不良もあって逆に豪栄道に10勝4敗と大きく勝ち越されてしまい作戦失敗。ぶ然とした顔で引き上げていきました。熱もあったようで、前半戦はこの後遺症が出なければいいのですが」(担当記者)

 綱取りが振り出しに戻った大関稀勢の里(30)も、調子は決してよくない。5日の二所ノ関一門の連合稽古で左肩を痛めたのが響いて稽古量が落ち、初日の3日前には珍しく稽古場にも姿を見せなかった。
 対照的に、豪栄道は先場所と同じように好調そのもの。初日前、「あとは本番で思い切ってやるだけ」と笑顔で話していたが、何もかも初めて尽くしなだけに「やってみないと分からない」というのが本音。いつ上位陣総崩れが起こっても不思議はないのだ。

 果たして、18年ぶりとなる日本人横綱の夢は叶うのか。頂点へ上り詰めるのは棘の道だ! 九州場所、注目は豪栄道に集まっている。