国内女子ツアー最終戦にして、年間最後のメジャーでもある「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」。今季のトーナメント優勝者と、賞金ランキング上位25名までが出場できる一戦だ。当然長いキャリアをもってしても出場経験のない選手も多い限られたフィールド。今季初めて大一番に挑む初出場者たちに、最終戦へ向けての心境を聞いた。 
 「私にとっては夢の舞台です」。今季のトーナメント優勝者と、賞金ランキング上位25名の選手しか出場がかなわないこの大舞台への出場は、福嶋浩子にとっては“夢”だった。
「サイバーエージェントレディス」優勝時には家族そろって記念写真
 5月に開催された「サイバーエージェントレディス」。2位に2打差をつけ迎えた最終日は苦しい戦いに。終盤の16番では4パットのダブルボギー、次の17番でもボギー。上がり3ホールでスコアを3つ落とし、今季ブレークした韓国のキム・ハヌルに追いつかれプレーオフに。
 プレーオフではあっけなく勝負が決まった。ハヌルが1メートルのパーパットを外し、軍配は福嶋に。38歳(当時)でのツアー初優勝が決まった。
 ゴルフ人生32年は決して平坦な道のりではなかった。肩のケガに悩まされ、競技から距離をおいた。何度も「ゴルフをやめよう」と思ったこともある。姉の晃子のマネージャーとして裏方に回ったこともあった。それでもまた、ゴルフに戻ってきた。その積み重ねてきた努力が、今年大きな実を結んだ。
 今もケガと戦っている。「腰のヘルニアです。やっぱり今年はスケジュールがタイトでしたね。試合に出たくても出られなかった時期があったから、休むともったいないと思ってしまうんです。休むのも練習のうちだとも言われるのですが(笑)。今は試合に出ながら、練習量を減らして調整しています」。夢の舞台に、万全の体調で挑むことはできなくなってしまった。
 しかし、福嶋に悲壮感はまったくない。「本当にリコーに出ることができて夢見たいです。姉のマネージャーをやっている時にいっしょに歩きましたが、自分が宮崎空港カントリーを回ったことはないですね。今思い出しても、姉とは飛距離が違うから参考にならないなあ(笑)」。レジェンド級の飛ばし屋の姉と自身を比べ、カラカラと笑っていた。
 「出るからにはもちろん頑張りたいですが、優勝争いなどは意識せず、自分のできることをやっていきたいですね」。いつだってそう、どんな時も自分ができる最善を尽くしてきた。苦労人のベテランは、目先の結果よりも大事なことがあることを知っている。夢の舞台でも悔いなく戦いきるのみだ。
福嶋浩子
神奈川県出身。姉は福嶋晃子、13歳の時に姉の影響でゴルフを始める。2012年にティーチングプロとしてLPGAに入会。現在A級の資格を持つ。肩の故障などで一時は競技から離れるが、07年からツアーに復帰。今季の「サイバーエージェントレディス」で38歳で初優勝。国内女子ツアー初の姉妹優勝を達成した。
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