星野源がかっこいいのではない。津崎平匡がかっこいいのだ「逃げるは恥だが役に立つ」今夜7話

『Kiss』(講談社)で連載中の人気マンガが原作のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。
参考→「絶好調ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は原作でも星野源=津崎がヒロインだ

今回登場する旅館はここ。


6話あらすじ


百合(石田ゆり子)に新婚旅行をプレゼントされたみくり(新垣結衣)と津崎(星野源)。必死で溜めたクレジットカードのポイントを使ったらしい。断りきれない2人は、社員旅行と解釈してこれを受け取ることに。

津崎の同僚・日野(藤井隆)からプレゼントされたマムシドリンクが見つかりそうになったり、転びそうになったみくりを助けようとして押し倒してしまったりと、今話はドタバタラブコメディといった雰囲気で進んでいく。しかし、表面上はワイワイ楽しくやっている温泉旅行とは裏腹に、みくりはどんどん空しくなっていった。

温泉旅行を社員旅行と解釈したのは、一見正論のようで実は津崎にとって一番楽な設定だ。それは一歩踏み込んで男女の関係にならなくていいという理由になるから。ダブルベッドで2人で寝ても、勇気を持ってみくりに手を出さなくていい設定なのだ。童貞とは、悪い意味で事なかれ主義なのだ。

「完璧だった。耳栓とアイマスクでみくりさんの気配を完全に絶って、眠ることに成功した。やりきった。プロの独身やりきりました」

なんならこうして正当化までしてしまう。実に絶食系男子、いや童貞らしい思考。心理の奥底ではみくりと何とかなりたいと思っているはずなのに、楽な設定に逃げてしまう。そして自分に自信がないから、相手も同じ考え方だと思い込んでしまう。

あたらしき したぎむなしい 秋のあさ

これは、みくりが曇った鏡に指で書いた俳句。津崎が自分で用意した楽な設定に甘えていた時、みくりは心の準備をしていたのだ。たまたま見てしまったマムシドリンクのせいなのは確かだが、受け入れる覚悟を決めたのも確かだった。

女性視聴者の皆さんは、「星野源かわい〜」とか言いながらこのドラマを観ているのだろう。しかし、現実だったらこれは単なる意気地無しだ。かわいいのは星野源であって、津崎平匡ではない。是非、「女に恥をかかすんじゃないよ!」と言いながら観て欲しい。

家へと帰る日の朝、津崎はノンキに朝食を頬張るが、みくりは浮かない顔。そこへみくりの元彼(小柳友)がやってくる。津崎とは正反対の性格をした軽薄な男だ。津崎はまたも壁を作ってその場を後にしてしまう。いくら自分から色々と試行錯誤しても変わらないその姿に、みくりは諦めを感じ始めてしまう。

どうした津崎?そんな男じゃなかっただろ!


しかし、しかしだ。帰りの電車、もう旅が終わるというその時、津崎は急にみくりの手を握り、なんと唇にキスをしたのだ。ちょっと待て、どうした津崎?なぜ急にそんな行動に出た? 童貞とは思えない自分勝手な行動。社員旅行という設定はどうした?事なかれ主義のはずではなかったのか?津崎、みくびってごめん。

急に出た津崎の男らしさに女性視聴者の皆さんは、「キャー!星野源かっこいい!」と言いながら観ていたことだろう。しかしそれは大きな間違い。これは星野源がかっこいいのではなくて、津崎平匡がかっこいいのだ。葛藤を乗り越えて、一歩を踏み出した男はかっこいいのだ。

今夜放送の第7話。予告では「キスの慰謝料」「みくりさんは確実に腹を立てている」など、津崎の弱さを表すセリフで一杯だった。しかし、6話で一つ成長したことのは事実。今夜も津崎に期待したい。

(沢野奈津夫)