やっぱり他者の存在が大切(画像は筑波大学プレスリリースより)

写真拡大

中高年の運動やスポーツは、誰かと一緒にやると効果が高まる――そんな研究結果が、筑波大学体育系・武田文教授らの研究グループによって発表された。

趣味や人と一緒の運動・スポーツといった活動が、中年者のメンタルヘルスの保持に有効であることは、厚生労働省の「中高年者縦断調査」から確認されていたが、身体機能の保持効果に関するエビデンスはなく、今回初めて検証された。

研究では、「中高年者縦断調査 第1回(2005年)」から、50〜59歳の回答者2万9181人のうち、「第6回(2010年)」の調査でも回答した2万2770人のデータを分析。余暇活動や社会活動が、5年後の日常生活動作に及ぼす影響を解析している。

なお、「中高年者縦断調査」では、「歩く」「ベッドや床から起き上がる」「いすに座ったり立ち上がったりする」 「衣服を着たり脱いだりする」「手や顔を洗う」「食事をする」「排せつ」「入浴をする」「階段の上り下り」「買い物したものの持ち運び」の 10 項目が日常生活動作とされている。

その結果、男女とも、日常生活動作に対して有意な関連を認めたのは、「運動・スポーツ」で、5年後の日常生活動作に支障が生じるリスクが男性は30%、女性は21%低下していた。女性では「趣味・教養」も有意な関連を認め、20%のリスク低下が確認されたという。

「子育て支援」や「高齢者支援」といった社会活動は、日常生活動作の保持には効果的でない傾向が認められた。

こうした効果は男女とも、他者と実施する場合のみ、5年後の日常生活動作と有意な関連が見られ、いつも一人で実施している、もしくは一人で実施することがある場合は、日常生活動作との関係が見られなかったという。発表は2016年10月27日、米国のオープンアクセス科学誌「PLOS ONE」に掲載された。

参考論文
The Impact of Leisure and Social Activities on Activities of Daily Living of Middle-Aged Adults: Evidence from a National Longitudinal Survey in Japan.
DOI: 10.1371/journal.pone.0165106 PMID:27788163

医師・専門家が監修「Aging Style」