ピカール店内のイメージ(プレスリリースより)

写真拡大

 フランス発の人気スーパーが日本に初上陸する。

 フランスのスーパーマーケットといえば、かつて日本でも展開していた「カルフール」が有名であるが、嗜好や販売方法の違いなどから日本に馴染めず経営に失敗、カルフールジャパンはイオングループ入りを経て現在は一般的なイオンの店舗となっている。

 しかし、今回日本に初上陸するスーパー「Picard」(ピカール)はこれまで日本に存在しなかった新業態で、しかも上陸当初からイオングループの手により運営されるという。では、その「新業態」とは一体どんなものであろうか。

◆前代未聞の「冷食専門スーパー」

「ピカール」はフランスに本社を置くスーパーマーケットチェーンで、現在ヨーロッパ5ヶ国に約1000店舗を展開している。

 このピカールが従来のスーパーマーケットと大きくことなるのは、販売される殆どの商品が「冷凍食品」だということだ。

「冷凍食品」と言っても、ピカールの冷凍食品は厳選された食材を用い、保存料を使っておらず、「安心」「安全」を一番のウリにしていることが特徴。ヨーロッパでは(国にもよるが)、缶詰や冷凍食品などは「安物」「ジャンクフード」や「保存食」というよりも、日本でいう「調理済みの総菜」のような感覚で扱われることが多いという。

◆フランスの女性を支えるピカール

 ピカールの商品は、オーブンで焼く、フライパンで炒めるなど簡単な調理でひと手間加えて仕上げるのが多いのも特徴で、そのラインナップは非常に多様。

 ピカールの製品だけで主食から副菜、サラダにデザートまで、一食すべてを揃えることもできる。食卓にあと1品欲しいとき、僅か数百円でレストランの味が楽しめるとあって、フランス人が選ぶ好きな食べ物ブランド調査で5年連続1位に選ばれているという。

 フランスはヨーロッパ諸国のなかでも女性就業率が非常に高いことで知られるが、その女性就業率の高さを支えているのが「ピカール」なのだ。

 この「ピカール」に目を付けたのが、国内流通最大手のイオングループだった。

 イオングループでは2015年からイオン幕張新都心店の高級食品売場「ROUGEET BLANC」を皮切りに、首都圏のイオン・ダイエーの一部店舗でピカール製品を実験的に導入、好評を博していた。

 そして、2016年6月1日には日本国内で「ピカール」の単独店舗を本格展開するためイオン100パーセント出資の子会社「イオンサヴール」を設立。11月23日に日本国内のピカール1号店として「ピカール青山骨董通り店」を、12月中には中目黒、麻布十番に出店することを発表しており、今後は冷凍食品・中食産業の需要が大きい都市部を中心に展開していくとみられている。

 また、あわせて既存のイオンショッピングセンターにおいても品川シーサイド店、東雲店、東久留米店など首都圏の店舗を中心に「Petit Picard」ブランドで店舗展開することも発表しており、今後は全国展開も期待される。

◆新時代のスーパー像を描くイオングループ

 かつて画一的な商品構成と価格訴求で客を集めたイオングループであったが、近年はその方針を大きく転換しつつある。

 近年、イオングループでは都市部の店舗を中心に、かつて日本でも展開されていたフランスのハイパーマーケット「Carrefour」、フランスの百貨店・ギャラリーラファイエット傘下の高品質都市型スーパー「MONOPRIX」、英国王室御用達の百貨店系高級スーパー「Waitrose」などの高品質な自社開発商品(PB、プライベートブランド)導入を行っているほか、新業態の総合スーパー「イオンスタイル」への転換、地域の実情に合わせた売場や生活提案型売場への改装を進めるなど、業績不振となっている総合スーパーの業態改革に取り組んでいる。