今月15日、サッカー日本代表は、W杯アジア最終予選における前半最後の試合=サウジアラビア戦を2-1で勝利。初戦でホームのUAE戦を1-2で落とし暗雲が立ち込めたものの、オーストラリア戦の引き分けを挟んで3連勝。グループBで2位に浮上した。

だが、来年3月から再開される後半5試合はアウェイが3試合と多くなるなど、まだまだ苦難の道のりと言えそうだ。すると20日放送、テレビ朝日「やべっちF.C.」では、サッカー解説者・中田浩二氏が後半の戦いに向け、アジア最終予選を突破するために必要な3つのキーワードを挙げ、代表選手らに奮起を促した。

まず1つ目のキーワードは「初戦敗戦で得た危機感を忘れずに」というもの。「初戦を落としたことでちょっとネガティブになりすぎた」と振り返った中田氏だったが、「そこから盛り返せたことは評価すべきだと思いますし、選手達もあの初戦があり“このままではダメだ”と変わろうとして自分達で考えてやる部分が出た」と評価。具体的には、10月のイラクにおける山口蛍の決勝ゴールを挙げ、「イラク戦のアディショナルタイム、長谷部の指示で吉田が前線に上がっている。吉田のパワープレイからフリーキックを獲得した」などと選手らの主体性を称えた。

また2つ目のキーワードは「勝ちきるために意思疎通を高めること」とした中田氏。「決定機は作れている。ただ、なかなか得点獲れずに自分達で苦しくしている」と指摘すると、「後半戦はアウェイが3試合。もっと少ないチャンスを効率的に活かしていかないと」と続けた。

さらに「意思疎通」の中で「時間の使い方も大事」と付け加えた中田氏は、先のサウジアラビア戦で試合終了間際に1点を奪われたことから「サウジアラビア戦のアディショナルタイムのシーン。簡単にボールを失っている。攻めるのかキープするのか、チーム全体で意思疎通をはっきりと」と話す。

最後3つ目のキーワードは「後半戦が始まるまでの4ヶ月間の過ごし方」というもの。中田氏は「所属チームで試合に出場しなければ代表での居場所はない」と言い切ると、「ハリルホジッチ監督は今回のサウジアラビア戦、所属チームで試合に出ている選手を中心に起用しました。今後も躊躇なくそうすると思います」とキッパリ。「これまでは経験のある選手に頼ってきたんですけど、そのポジションを脅かす選手が出てきたことは本当に大きい。残り4ヶ月、所属チームで緊張感を持ってプレーすることが成長にも繋がるし、日本お底上げにもなる」と選手らを鼓舞した。