Q:血管の若さを保ち、動脈硬化を予防するには運動が大事だと聞きました。なぜ運動が重要なのでしょうか。また、どういう運動が効果的でしょうか。(45歳・進学塾講師)

 A:血管の若さと健康を保つ上で重要な役割を担っているのが、血管内皮細胞です。血管内皮細胞とは、血管の内側にある一層の細胞です。内皮細胞では、一酸化窒素(NO)という物質が作られます。このNOは、周囲の平滑筋を弛緩させて血管を広げ、血流量を増やします。
 血管内を血液がスムーズに流れていると、内皮細胞を刺激します。すると、内皮細胞はNOをたくさん分泌し、血管を拡張します。その結果、血流量はさらに増えます。こうして好循環になります。
 ということは、血管内皮細胞を活性化するには、とにかく血流を促進しなければなりません。いちばん重要で意義のある方法は、運動です。中でも有酸素運動が有効で、有酸素運動を20分以上続けると血中にNOが増えてきます。
 年代に関係なく安全に行える有酸素運動はウオーキングです。歩くことで筋肉のポンプ機能が働くため血流がよくなり、血管内皮細胞によい刺激が伝わります。
 ぶらぶら歩くのではなく、速歩やスロージョギングを習慣にして行うとよいでしょう。ただし、強すぎる運動は奨められません。血管が締め付けられ、高血圧の状態をつくるからです。血圧が高いと、まず内皮細胞が傷みます。

●水平足踏みもお奨め
 血管が傷むと内皮細胞の機能がおかしくなり、間違った指令を出し始めるので、さらに血圧を上げると言われます。
 この他、室内でできる有酸素運動に「水平足踏み」があります。これは、姿勢をよくしてまっすぐ立ち、その場で「イチ、ニ、イチ、ニ」と足踏みを続けて行います。水平足踏みは、ウオーキングと同様、高血圧を改善し、HDL(善玉)コレステロールを増やす効果があると言われます。
 血液が順調に流れていると、血栓も出血も起きにくいし、動脈硬化が予防できます。動脈硬化は脳卒中や心疾患の発症につながります。ウオーキングや水平足踏みを生活に取り入れるとよいでしょう。

首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や点滴療法、遺伝子治療などの高度先進医療を実践。