21日、セウォル号惨事当日に朴槿恵大統領の所在が不明とされるいわゆる「空白の7時間」について韓国大統領府が初めて資料を公開し釈明を行ったが、この内容を受け韓国メディアがさらなる疑問を呈し始めている。写真は朴大統領の退陣を求めるデモ。

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2016年11月21日、セウォル号惨事当日に朴槿恵(パク・クネ)大統領の所在が不明とされるいわゆる「空白の7時間」について韓国大統領府が初めて資料を公開し釈明を行ったが、この内容を受け韓国メディアがさらなる疑問を呈し始めている。

大統領府は19日、ホームページ上に「誤報・怪談を正す」コーナーを新設、「セウォル号7時間、大統領はどこで何をしたか。これが事実です」とのタイトルで、セウォル号惨事が起こった14年4月16日の大統領の執務内容を時間ごとに記録した資料を公開した。また、「青瓦台(大統領府)には官邸執務室、本館執務室、秘書棟執務室があり、(大統領は)この日(セウォル号惨事当日)は主に官邸執務室を利用した」とし、「青瓦台はどこでも報告を受け指示ができるシステムであり、大統領には出退勤の概念がなくすべての時間が勤務時間」だと説明した。

しかし資料を詳しく見ると不可解な点もある。韓国日報は「休日でもなく平日(当日は水曜)に、一刻を争う大規模惨事が発生しているのに500メートルしか離れていない本館執務室を空け官邸にとどまったことについて、合理的な説明が抜け落ちている」と指摘する。

国民日報は、大統領が午前10時に最初の書面報告を受けて以降、午後5時15分に中央災害安全対策本部に姿を現すまで「乗客救助に最善を尽くすよう」など電話で一般的な指示を行ったのみで、具体的な指示を行っていないことに注目した。

大統領府の資料によれば、大統領は当初救助人員について書面による誤報告を受けており、午後2時50分に国家安保室長から「誤情報であった」との訂正報告を受けた後、折り返し電話を掛け安保室長を叱責したとされる。午前10時31分にセウォル号が完全に転覆したことも知らず、それから4時間以上たってようやく被害状況を電話により把握したのだ。大統領府はこうした誤情報が対応の遅れの原因と認めながら、午前11時1分に「高校生全員救助」、午後0時48分に「乗客の大部分が救助されたもよう」との報道が出ていたとして「この日の本当の悲劇は誤報による混乱」だったと、その責任をメディアに転嫁する主張を展開した。

疑惑を取り払い批判を和らげるため大統領府が初めて行った「釈明」だが、今回の資料で再確認されたことがある。惨事当日午後5時15分の対策本部訪問まで、結局大統領の姿を直接見た参謀が誰もいなかったという事実だ。そのため今回の資料公開で「疑惑の7時間」はむしろ深まったとの批判も出てきている。(翻訳・編集/吉金)