地震や火山の噴火など、自然災害と隣り合わせの中で日々を過ごしている日本社会。近年日本を訪れる中国人観光客が急増したが、それに伴いますます大事になってくるのが、災害発生時における外国人観光客の安全確保だ。(イメージ写真提供:(C)yokokenchan/123RF)

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 地震や火山の噴火など、自然災害と隣り合わせの中で日々を過ごしている日本社会。近年日本を訪れる中国人観光客が急増したが、それに伴いますます大事になってくるのが、災害発生時における外国人観光客の安全確保だ。

 中国メディア・参考消息は18日、「日本旅行では、専門の誘導者の話を聞いて避難すべし」とする記事を掲載した。記事は、自然災害多発国である日本への観光客が増えるにつれ、災害に巻き込まれる可能性も高まっていると説明。言葉の問題や避難に対する知識の欠如、文化的な違いによって、一部の外国人観光客は地震などの発生後に「どうしたらいいかパニックに陥ることもある」とした。

 そのうえで、日本の観光庁が2011年の東日本大震災発生以降、外国人観光客も日本国内の災害救助システムに組み入れるため、訪日観光客の安全確保マニュアル作成のガイドライン発表などの措置を講じ始めたと紹介。これにより各地方自治体が取り組みを強化し、埼玉県や奈良県などでは外国人を現地の防災計画に加え、一部地域の一時避難所では外国人の口に合う食品の備蓄や多言語の表示板の設置を行っているとした。また、神奈川県川崎市では今月16日に外国人観光客の誘導も含めた帰宅困難者対策訓練が行われたと伝えている。

 記事はこのほか、実際に日本で地震などの災害に遭遇した時のための、中国人観光客の対策として、観光庁が開発した中国語対応の災害警戒アプリの存在について言及。日本到着時にこのアプリをインストールして欲しいという同庁担当者の話を伝えた。また、日本のホテルや鉄道など公共施設では災害発生時の対応体制がしっかり整っているため、「災害発生時、勝手に行動するのではなく、スタッフの避難指示にしっかり従うことが一番大切だ」としたことも併せて紹介した。

 日本国内でも、比較的地震の多い地域に住む人と、比較的少ない地域に住む人では、地震に対する心構えや発生時の慌て方に差がある。ましてや、日本より地震の頻度が少ない地域からやって来た外国人観光客にとっては、震度2や3程度の揺れであっても心臓が止まらんばかりの衝撃を受けることだろう。彼らに安心してもらうためには、十分な受け入れ体制の確保が欠かせない。そしてまた、外国人観光客に対する周知や啓蒙の取り組みも必要だろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)yokokenchan/123RF)