2年連続の賞金女王は会心の笑顔 イ・ボミの苦労が報われた日となった(撮影:上山敬太)

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<大王製紙エリエールレディス 最終日◇20日◇エリエールゴルフクラブ松山(6,474ヤード・パー72)>
 イ・ボミ(韓国)の賞金女王戴冠がかかっていた『大王製紙エリエールレディス』。今大会でボミが単独3位以上、また女王を争う申ジエ(韓国)、笠りつ子が優勝できなかった場合は最終戦『リコーカップ』を待たずして決まる状況だったが、自身はトータル9アンダー・26位タイで終わったものの、笠が26位タイ、ジエが36位タイとなったため、2年連続女王が決定した。
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 優勝争いに絡めなかったことで「トップ10で決められたら良かったです」と決定後の会見で語ったボミだが、次の言葉は「逆に来年のプレッシャーになりますね。来年の目標はどうしたらいいか、嬉しい瞬間ですけど、今はちょっとゴルフを休みたいです。争うのが今年1年間ずっとしんどかった」。それだけ今年は本人にとって苦しいシーズンだったという。
 今季の大きな目標はリオ五輪出場だった。国内ツアー開幕戦『ダイキンオーキッドレディス』前週に『ホンダLPGA』に出場するなど、世界で最も層の厚い韓国の代表争いは熾烈でボミは8番手から逆転を狙うため奮闘。国内ツアーでも第2戦『PRGRレディス』優勝から『アース・モンダミンカップ』優勝まで“国内出場11試合連続トップ5入り”と圧倒的な成績。最後の望みを賭けた『アース-』翌週の『全米女子オープン』では予選落ちとなり、代表選考に一区切りをつけたが、前半戦は1試合も気が抜けない戦いが続いた。ボミ本人も「オリンピックは大きな目標で、優勝できなかったら世界ランクも上がらないというプレッシャーがあった。(でも)その目標があったから今の私がある」と振り返って語ったように、大きな経験となった。
 だが国内ツアーに専念した後半戦は苦難の連続。日本ツアー復帰初戦となった『大東建託・いい部屋ネットレディス』は18位タイで連続トップ5記録はストップしたものその後2試合は2連勝を含む4試合連続トップ3入り。再び走り始めたかに見えたが、『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』からパッティングへの悩み、疲労による調整難が露呈しはじめた。
 「いまはこれ以上いいものがないと思っています」と3年前に絶対的エース『オデッセイ ホワイトライズiX #1SH』に変えてから継続使用してきたボミが、『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子OP』では別のパターを試合で使用したことは明らかにパットへの迷いある証拠だった。そして『日本女子オープンゴルフ選手権競技』は疲労がピークに達して初日終了後に途中棄権。それまでは疲れを考慮して、練習ラウンドを行わず、プロアマ戦で調整を行うスタンスをとっていたが、「この2年間メジャーで勝てていなかった。優勝したかった。(この時期は)練習しなくてもダメ、練習してもダメで…」という練習日から調整を行ったことが災いしてしまった。翌週の『スタンレーレディス』は試合前日の夜に“パターが曲がる”と清水キャディに相談して、急遽『ミヤギ-』で1日だけ使った新パターで挑み、2位に入ったものの「リフレッシュのため薦めたパターがその大会では入ってくれましたが、精神的に参っていたのだと思います(清水キャディ)」。
 それでも所属先主催のホスト大会『NOBUTA GROUP マスターズGCレディース』4位タイ、そして『伊藤園レディス』で大会連覇と「しんどいときも家族や清水さん、トレーナーさんやマネージャー、そしてファンの方々のことを考えた」と最後まで踏ん張って、栄光を手にしたのだった。
 「21歳の時は28歳で終わりたいと。(ここまで)キャリアが続くとは。日本にきた時は10勝できるとも思わなかった。アン(・ソンジュ)さんや(ジョン・)ミジョンさんらのおかげです」。今季は節目の日本ツアー20勝を達成しての賞金女王。“いまはゴルフを忘れたい”という言葉は、自身の夢のため、周り人たちからの期待に応える気持ち、支えてくれる人への感謝…すべてを抱えこんで全力で駆け抜けた証だ。
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