マッハ2.2の超音速旅客機「Boom」もうすぐ試験飛行も(出典:http://boomsupersonic.com)

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機体ほか条件にもよるが、ニューヨークからロンドンに向かう場合、現在のフライト時間は往路で約6時間半から7時間、復路で8時間前後かかるものである。超音速旅客機のコンコルドが退役してすでに10年以上となり、次世代の超音速旅客機のデビューが待たれていたが、来年にもいよいよそれがお披露目となるもよう。実現すればニューヨーク・ロンドン間は3時間15分にまで短縮されるという。

元祖・超音速旅客機の「コンコルド」が量産に至らなかったのは、数々の難問をどうしてもクリアできなかったことが原因であった。次世代の超音速旅客機に求められる条件は、コンコルドより速くコストパフォーマンスも向上し、騒音ほか環境問題もクリアすることと非常に厳しい中、開発が順調に進められていたのがマッハ2.2の超音速で飛ぶという「Boom」である。最新エンジンもさることながら、機体の素材についても熱に強くて軽い炭素繊維強化炭素複合材料を使用することで大幅な軽量化に成功。ただし定員は40名と少なくなる。

「Boom」の開発と製造にあたっているのは、コロラド州デンバーを本拠地とする「Boom Technology」社。写真によればチームは18名で構成され、そのウェブサイト『boomsupersonic.com』にはすでに様々な数字が明示されるようになっている。速さはコンコルドのそれを10%短縮したマッハ2.2。これは従来の旅客機の2.6倍の速さを誇るといい、ロンドン・ニューヨーク間をこれまでの平均7時間から3時間15分で飛べることになる。また往復の正規運賃はコンコルドの半分以下という5,000ドルが予定されているそうだ。

「Boom」についてはVirginグループの会長で冒険家、起業家として名を馳せ、航空宇宙産業の技術革新に対する情熱が一向に冷めることのないサー・リチャード・ブランソン氏がさっそく10機を、続いてはヨーロッパの航空会社も15機のオプション契約を結んだが、さらにVirginグループの宇宙部門を担う企業が「Boom」の開発、製造から運航業務にまでかかわることが決定。もはや怖いものナシという状況の中で夢はいっきに現実味を帯び、最初の試験飛行が2017年に始まるという。

さらに驚くのは「Boom」には早くもライバル機がいるということ。NASAが今年3月に発表したところによれば、彼らが開発を進めている超音速旅客機の名は「Xプレーン」。静音仕様で燃料消費が少ない環境重視型の旅客機を完成させたいもようだ。またご存じエアバス社からも目を離せない。彼らはニューヨーク・ロンドン間をたった1時間半で結ぶ超音速旅客機を製造するための特許を2010年に出願し、取得が済んだという。しかし乗客の定員はたったの20名。時速4000kmで空を飛ぶという構想には実現不可能との声もあるようだ。

なお、通常の旅客機の2倍という5万フィートを超す高度をマッハ2.0で飛行したご存じコンコルドは、たった20機しか製造されていない。それは長い滑走距離が必要で、ソニックブームと呼ばれる衝撃波や大きな騒音、高すぎる機体価格とコスパの悪さが足を引っ張り、2000年7月には炎上・墜落事故が発生。エールフランスもブリティッシュ・エアウェイズも2003年には旅客機としての退役を決断せざるを得なかった。

出典:http://boomsupersonic.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)