いかようかん(画像提供:はこだて柳屋)

函館名物の「いか」です......と言って、出されることもあるらしい。出された方は思わずギョッとして、フリーズしてしまうかもしれない。「実は、いかようかん!です」と聞いても、すぐには信じられないはずだ。一度見たら二度と忘れない、これほど強烈な印象のお菓子、めったにお目にかかれるものではない。

「ちょいとリアルなイカようかん......」

ツイッターには、「いかようかん」に関連して、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

驚く人、ぎょっとする人、おいしがる人......反応はそれぞれだが、いずれのつぶやきも、その興奮が生々しく伝わってくる。

この「いかようかん」は、函館市万代町にある和菓子専門店・はこだて柳屋の商品だ。Jタウンネット編集部は、函館に電話して話を聞いてみた。

電話に出てくれたのは、はこだて柳屋の若杉充宏社長である。

「いかようかんが生まれたのは、1997年、店舗のリニューアルきっかけでした」と若杉社長。仮店舗が殺風景だからと、和菓子職人が作って飾った。それが地元のお客さんの間で評判となり、新しい本店の開店記念として商品化されたのだという。

「外側はようかん生地で仕上げていますが、中身はコーヒー味の餡と求肥です」と若杉社長は語る。お土産でもらった相手は、間違いなく見てびっくりする。そして食べて、またびっくり!という仕掛けだ。「見た目の割には美味しい、とご好評をいただいております」。

「職人が手作りで丸2日かかるため、1日50杯限定で販売しております。手間がかかる割には、利益はあまり期待できません」と若杉社長は苦笑する。販売店舗は万代町の本店だけで、函館市内各地の販売店では予約のみ受け付けている。

函館の本店に行くのが難しい人は、オンライン通販で購入できる。「ただし、とにかく手作業ですから、注文が重なる場合は、しばらく待っていただくことになります」とのこと。


箱を開けると、函館の夜景が飛び出す(画像提供:はこだて柳屋)