米国の大統領選が終わって10日、下馬評を覆して当選したドナルド・トランプ氏に対し、安倍晋三首相が早々にアクションを起こした。ニューヨークのトランプタワーで同氏と会った安倍首相だが、実りある会談ができたのか、はたまた「取り急ぎ会いに行った」のか。中国国内ではこの動きについてどう見ているのだろうか。(イメージ写真提供:(C)Mykhaylo Palinchak/123RF)

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 米国の大統領選が終わって10日、下馬評を覆して当選したドナルド・トランプ氏に対し、安倍晋三首相が早々にアクションを起こした。ニューヨークのトランプタワーで同氏と会った安倍首相だが、実りある会談ができたのか、はたまた「取り急ぎ会いに行った」のか。中国国内ではこの動きについてどう見ているのだろうか。

 中国メディア・環球網は19日、「トランプ氏は安倍氏と会ったが、日本に肩透かしを食わした」とする社説を掲載した。記事は、安倍首相が17日に大統領選終了後に外国首脳として初めてトランプ氏と90分間にわたる会談をを行ったと紹介。しかし、会談後に明らかにされた情報は実質的な内容に乏しく、安倍首相が「信頼に値するリーダーだ。時間がある時にさらなる対話を行いたい」と語り、トランプ氏側も「大統領就任前に日米関係の見解を示すことは差し控える」との慎重な姿勢を見せていたことを伝えた。

 そのうえで、安倍首相が口にした「信頼」は、日本にとってことのほか重要であると指摘。日米同盟の基礎はまさに「信頼」で成り立っているからだとし、TPP離脱や駐留米軍の費用負担要求といった選挙期間中の発言に不安を感じた安倍首相が「自らの価値が下がることも顧みず、急いでニューヨークに話をしに行ったのだ」と解説した。また、ここまで安倍首相が急ぐ背景には、中国への脅威を煽り、「平和憲法改変」への動きを加速させるためには米国との強い関係が必要であり、「日本はしっかり自らを米国の『弟』と位置づけなければならないから」であると論じている。

 記事は、トランプ氏が対中関係についてどのような態度を示すかについては、「まだ未知数」としながらも、地域の緊張を和らげて地域協力を拡大し、米国の新たな経済成長を促す可能性は、決して低くないと予測。この可能性も、安倍首相が強く警戒している点であると説明した。そして、実質的な内容を明かすことができず、トランプ氏と戦略面で一致したことを暗示するシグナルを何ら発することができなかった今回の会談は、「アジア太平洋地域のリバランス」を支持する者たちに待ちぼうけを食わせるものとなったと結論付けた。

 安倍首相とトランプ氏の会談の内容や成果はさておき、現職の首相があくまでも現時点では「次期大統領」に過ぎないトランプ氏の自宅まで赴いて会談し、その様子を報道機関に公開するという行動について、中国の人たちにはどう映ったのだろうか。その思いはおそらく、記事にある「自らの価値を下げることも顧みず」という部分に集約されているのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Mykhaylo Palinchak/123RF)