Doctors Me(ドクターズミー)- 尿もれは薬で治療できる?原因と治療法を解説

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尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱にたまり、尿道を通って出てきます。普段は膀胱の筋肉と尿道を閉める骨盤底筋群の働きにより尿は出ないようになっており、脳が指示を出したときのみ締まりが緩んで尿が出る仕組みになっているのですが、
尿漏れは加齢とともに誰もが経験する可能性がある現象です。 そこで今回は、何故尿漏れが起きるのか、どのような治療が行われるのか、医師に解説していただきました。

尿漏れには4つの種類がある!

尿が意図せず漏れる状態には、様々な原因があり、大きく下の4つに分かれます。
腹圧性尿失禁:笑う・咳・くしゃみ・重いものを持ったなど、急に腹圧がかかるようなことをしたとき、腹圧に押されて膀胱の圧が上がり、圧に耐えられずに尿が漏れてくる状態。
切迫性尿失禁:脳や脊髄の病気により、膀胱を収縮しないようにしている信号が十分出せなくなったり、膀胱炎や尿道炎のために尿を出したいという信号が強すぎて、脳が抑制しきれなくなった場合に、通常なら尿意を感じてからトイレに行き「尿を出していい」という状況になるまで我慢できるところを、我慢しきれず出てしまうという状態。
溢流性尿失禁:本来尿を出すときには膀胱にたまった尿を全部出し切ることができるのに、出し切れずに少しずつ貯まっていき、膀胱の容量が限界を超えることで漏れてしまう状態。脳や神経が尿を出させる指令が弱い場合や、尿の出口にある前立腺や尿道に腫瘍・肥大があって尿が出にくい場合に起こる。
混合性尿失禁:上記の尿失禁が混ざって起こっている状態。

尿漏れの治療にはどんな薬が使用される?副作用は?

まずはご自身の症状がどの病態によって起こっているかを調べる必要がありますが、圧倒的に多いのは腹圧性尿失禁です。いずれの場合でも、膀胱の出口にある筋肉をよりがんばらせ、逆に膀胱本体の壁を作っている筋肉は緩ませて、膀胱容量を多くするようなお薬を使うことが多いです。 膀胱に「緩め」「締めろ」と指示を出しているのは
自律神経(交感神経、副交感神経)なので、使われる薬は自律神経に作用する薬になります。副作用としては、膀胱だけでなく全身の臓器の自律神経に作用してしまうため、 ・手足の震え ・動悸 ・吐き気 ・便秘 ・口の乾き ・瞳が開くことで眼圧が上昇する などの副作用が挙げられます。 漢方薬は、症状と一対一で処方されるものではなく、患者さん一人一人の全身の状態を見ながら、バランスを整えていくような治療ですので、尿トラブルには一律にこの薬、という決まりがあるわけではありませんが、冷えや血の滞りに対する処方が行われることが多いようです。

尿漏れ対策として自分でできる訓練&手術の内容は?

1.骨盤底筋を鍛える 腹圧性尿失禁の重要な治療として、尿や便を我慢する、膣を締めるような感覚が出るような動きを繰り返すもので、座ったままでもお風呂の中でもでき、効果的です。
2.手術 膀胱と尿道の角度が急になり、直角に近い角度で尿道が出るようになると、より尿漏れが起こりやすくなります。逆に膀胱から尿道が斜めに出るようになると、尿の勢いは少なくなり漏れにくくなります。 この角度をつけ、出したくないときには出ないようにするために、膀胱の出口にテープを吊るように設置する手術があります。 また、骨盤底筋を補強するようなメッシュを設置する手術もあります。

医師からのアドバイス

いずれの治療法を選択するにせよ、まずは診断を付け、どの程度尿漏れが生活を妨げているのか正確に評価する必要があります。相談しにくい悩みかもしれませんが、一度お近くの泌尿器科での相談をお勧めします。 (監修:Doctors Me 医師)