台湾で民進党の蔡英文政権が発足して以降、台湾と中国大陸とのいわゆる「両岸関係」はぎくしゃくした状態が続く。この状況に伴って、台湾と日本との交流がより盛んになっており、大陸側は絶えず蔡政権をけん制する言論を発し続けている。(イメージ写真提供:(C)amadeustx/123RF)

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 台湾で民進党の蔡英文政権が発足して以降、台湾と中国大陸とのいわゆる「両岸関係」はぎくしゃくした状態が続く。この状況に伴って、台湾と日本との交流がより盛んになっており、大陸側は絶えず蔡政権をけん制する言論を発し続けている。

 中国メディア・台海網は18日、「台湾人はどうして日本が好きなのか」とする記事を掲載した。記事は、日本の交流協会が数年おきに台湾で実施している世論調査で、今年は「最も好きな国はどこか」との質問に対して、実に56%が「日本」と回答、例年よりも割合が大きくなったと台湾メディアが報じたことを紹介。かくも多くの台湾人が日本に好意的な姿勢を持っている背景について「皇民史観に帰結するのは不正確。今この状況にあるのは、やはり現実的な要因があるのだ」とした。

 そのうえで、「現実的な要因」として、まず日本と台湾の間では利害関係の衝突が少ない点を挙げた。尖閣諸島や漁業問題は存在するものの、いずれも特定の人しか注目しておらず、大多数の人は全く気にしていないとした。次に、台湾の「脱中国化」ムードも関係していると説明。民進党にしろ現地メディアにしろ、さらに学術界までもが非中国的な歴史観の構築に努めている状況であると批判した。

 さらに、礼儀正しさ、清潔さなどを含めた日本のソフトパワーの強さについても言及。この点は香港や大陸も影響を受けているが、地理的に近い台湾が受ける影響はより大きいと論じた。

 記事は、蔡政権が日米の力を借りて大陸とのパワーバランスを保とうとしている一方、日本はもともと自国の利益に基づいて行動しており、決して大陸との関係を捨ててまで台湾の肩を持つようなことはないと指摘。日台間の心理的な距離は、かなりの部分で中台社会の心理的な距離と連動しているとし、大陸が現在やるべきことは「可能な限り両岸の敵対的なムードを和らげ、台湾人に敵意や圧迫感を抱かせ続けないことだ」と伝えている。

 日本と中国、韓国、そして台湾。この4つの国と地域は2者間、3者間でそれぞれ複雑に絡み合っており、そこに米国やロシア、さらに北朝鮮が加わることでさらに混迷を極める状況となっている。どこかが近づけばどこかが遠ざかり、どこかが遠ざかればどこかが近づく。全ての「極」が同時に距離を縮めることは非常に難しい。今後も、各方によるバランスの取り合いが続いていくことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)amadeustx/123RF)