11月2日、大紀元時報と新唐人テレビの共同取材を受けた上海市地方誌弁公室副主任の生鍵紅女史。(スクリーンショット)

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 上海市政府の官員がこのたび、中国系独立メディアの大紀元と新唐人テレビの共同取材を受け入れた。両メディアを「タブー」視する共産党政権のなか、現職の官員がインタビューを受け入れたのは初めて。これは何を意味するのか、大紀元評論家・夏小強氏が分析する。下記はその抄訳。

大紀元と新唐人、共産党政権の現職官員の取材に成功

 文化交流のために米訪した中国上海市地方誌弁公室副主任の生鍵紅氏は11月2日、大紀元時報(以下、大紀元)と新唐人テレビ(以下、新唐人)の共同取材を受けた。

 生氏は取材のなかで、習近平国家主席が米中関係を重視していることや、中国伝統文化復興への計らいについて触れた。

 上海市地方誌弁公室は上海市政府が管轄する地方史料編纂機関だ。生氏は学者でありながら、中国共産党政治体制内の官員でもある。現職の高官が大紀元と新唐人の取材を受けることはきわめて異例だ。

 中国から迫害を受けている法輪功学習者が設立したメディアとして、大紀元と新唐人は絶えず国内迫害情報を報じてきた。そのため、外遊中の中国当局の役人にとって、「法輪功」「大紀元」「新唐人」は触れてはいけないタブーのはずだ。

 なぜこのたび、生氏は取材を受け入れたのだろうか。もちろん、生氏は両メディアについて、共産党が弾圧する法輪功学習者によって設立されたメディアと認知している。

異例の取材受け入れ 習政権の政策変更の伏線張りか

 インタビュー中、生氏は習近平氏のことを、国内で一般的な「主席」「総書記」ではなく、「習近平氏」と呼んだ。法輪功学習者の中国共産党への抵抗を知り、友好的な姿勢を示す狙いがあるのかもしれない。

 この取材について、習近平政権から許可が下りていたと考えられる。これは、習政権が将来、中国国民一億人の人生に変化を与えた法輪功の政策を転換するとの伏線を張ったことになるのではないか。

訪米で習政権「米中関係」「中国伝統」重視 独立メディアに伝える

 

 今回の訪米の目的は、150年前、北米鉄道の建設に参加した中国系労働者を記念するイベントへの出席だった。「習近平氏はこの歴史を、太平洋を跨ぐ両地域間の友情の象徴だと認識している」と話した。また生氏は、習氏が「中国伝統文化を崇敬している」ことも強調した。

 生氏の発言から見ると、習近平政権が米中関係への重視と、伝統文化への高い評価を外界に向けて発信したいと見て取れる。これを発信するのに、法輪功学習者が設立した大紀元と新唐人を選んだ。

 これは、将来中国社会が直面する大きな変革への下準備として、習政権が伝統文化と民族感情を基に、中国共産党政治体制の外にいる民間の力を集めたいとの狙いを反映したものではないか。

 上海市政府官員が大紀元の取材を受け入れたとのニュースが、中国大陸に伝われば、いまだに法輪功学習者を迫害し、中国社会の変革を根強く阻止している江沢民集団のメンバーに大きな打撃を与えるだろう。

習政権の4年、法輪功と深く関係

 習政権が発足してからこの4年間に行われた一連の政策は深く見ると、多くは法輪功と関係する。例えば、法輪功迫害のための労働教育制度の廃止。迫害のために設立された政府機関「610弁公室」トップ李東生氏の逮捕。元中央政治局常務委員の周永康氏、元天津市公安局局長の武長順氏など、迫害を主導した最高指導部高官や各地方政府高官の失脚・逮捕。習近平氏が国家主席に就任後、失脚し逮捕された江派閥の高官をみると、ほとんど法輪功迫害に関与した者たちだ。

 また、今年4月23日に、1999年4月25日1万人以上の法輪功学習者が政府中枢である中南海で平和に陳情を行った記念日の前にして、習氏が全国宗教会議を行い、信仰の自由を主張した。

 習近平主席「信仰自由」「法治を強化」法輪功政策が変わるシグナルか=宗教工作会議​

 江沢民集団は法輪功に対して17年間も迫害を続けてきた。この結果、中国社会が政治、経済、道徳など多方面において深刻な危機に陥っている。法輪功への迫害を続けていくならば、これらの危機を根本的に解決されられないだろう。

 中国共産党官員の生鍵紅氏が米国で大紀元と新唐人の取材に応じたことで、江沢民集団による法輪功への迫害はもはや末路を迎えており、(江集団の崩壊で)中国も大きな変化を迎えるだろうとのシグナルを送った。

 中国大陸で大紀元と新唐人を目にするのは、もう遠くないだろう。

(時事評論員・夏小強、翻訳編集・張哲)