せっかく表示してもそもそも見ていない人が多数

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ファストフード店のメニューで表示されているカロリー数に消費者はほとんど注意を払っておらず、食生活にも影響を与えていないとする研究結果が、米ニューヨーク大学の研究者らによって発表された。

米国では2016年12月1日から、米国内で展開するチェーン系飲食店で、メニューに食品のカロリーを表記することが義務化される。

カロリーを明示することで健康的な食事を選択する機会を増やそう、という米政府の政策によるものだが、2006年からカロリー表記が義務化されているニューヨーク州やペンシルベニア州フィラデルフィア、ワシントン州シアトルなどでは消費者の食生活はほとんど変化していないとするデータがあり、研究者らはカロリー表記の意味を改めて検証した。

研究では、食事指導で食生活を改める際に必要となる5つの条件、「カロリーや成分の表示に消費者が注意する」「消費者自身が健康的な食事を心がける」「自身の適正体重のための必要カロリー数を把握している」「消費者の予想を覆す表示がある」「表示の意味や内容が消費者に伝わる」が達成されているかを、フィラデルフィアで確認。

市内のファストフード店15か所で699人の消費者にアンケートを取り、さらに無作為に抽出した住人702人に電話でアンケートを実施した。

その結果、5つの条件すべてを満たし、食生活が健康的になっていると回答したのは170人ほどで、残りの人々はそもそもカロリー表示に気がついていないか、もしくは気がついていても全く見ていないと回答したという。

研究者らは、そもそもファストフード店を利用する消費者は利便性やコストのためにやむを得ず選択している側面もあるとし、「カロリー表示をより目立たせる必要があるが、それ以上に、より健康的で低カロリーメニューを提供者側が増やさなければ、根本的な解決にはならないだろう」とコメントしている。

発表は、米国マーケティング協会誌「Journal of Public Policy & Marketing」2016年秋号(Volume 35, Issue 2)に掲載された。

参考論文
The Current Limits of Calorie Labeling and the Potential for Population Health Impact.
DOI: 10.1509/jppm.16.005

医師・専門家が監修「Aging Style」