柴崎は代表に復帰できるのできるのだろうか。(C)SOCCER DIGEST

写真拡大 (全4枚)

 日本が2-1で勝利したサウジアラビア戦を取材したあと、ふと思った。今後、柏木、柴崎といったむしろ攻撃が得意なボランチはどうなってしまうのか、と。
 
 サウジアラビア戦での勝因のひとつは、組織的にまとまっていた守備だった。大迫、原口のプレスはもちろん、2ボランチの長谷部と山口のチェイシングやボールハントが4バックの負担を減らすという意味でも相当効いていた。
 
 オマーン、サウジアラビアと戦った11月シリーズ、ボランチとして招集されたのは長谷部、山口、永木、井手口の4人。細かい特徴はさて置き、いずれも1対1に強く、守備的な仕事を高いレベルでこなせる人材だ。これは、絶対に負けられないサウジアラビア戦で失点のリスクを極力小さくしたいという考えに基づいての人選という見方もできるだろう。
 
 ハリルホジッチ監督の根底にあるのは、“デュエル(決闘)の強さ”だ。最終予選の開幕前にインタビューした際も、指揮官はデュエルの重要性について熱弁していた。
 
「絶対に伸ばさなければいけない要素です。そのためにはトレーニングしかありません。筋力を強化するには頭での理解も大事です。本気でデュエルを向上させる気があるのか。フィジカルとメンタル、両方からアプローチをすべきです。
 
 クリスチアーノ・ロナウドの写真を見たことがありますか? 世界で一番、良い選手です。リオネル・メッシはどうでしょう? 小さくても、かなり筋肉があり、すごく力強い。
 
 EUROでは、アイスランド代表の戦いぶりが見事でした。日本よりも力が劣ると見なされていますが、フィジカルが全然違う。日本が試合をすれば、おそらく負けるでしょう。ハイレベルな舞台で戦いたければ、まずはアスリートになれと、私は常に言い続けています」
 
 ハリルホジッチ監督にとって、デュエルの強さはいわば基本。そこを改善できない場合、「我々は“プレーできません”」と断言していた。
 
「フットボールというスポーツはできますよ。でも、最終予選を突破できないか、本大会に進んだとしても、グループリーグで簡単に負けてしまうでしょうね。
 
 デュエルで勝てなければ、それなりの結果しか残せない。日本人選手には能力があります。でも、能力だけではダメなのです」

【日本代表PHOTO】サウジアラビア戦の美女サポーターたち♥
 代表から少し遠ざかっている柴崎に足りないのも、ハリルホジッチ監督は「デュエルの強さ」だと言っていた。
 
「柴崎には能力はありますが、伸ばすべきところもある。特に、アグレッシブさや、フィジカル的な部分、デュエルですね。ボールを奪うところもそうだし、デュエルはオフェンス面にも言えます。そこをさらに高めていってほしいと思っています」
 
 ワールドカップ・アジア最終予選の残り5試合のうち、3つが中東でのアウェーゲーム(UAE、イラク、サウジアラビア)。日本がホームで圧倒できなかった彼らとの再戦で、ハリルホジッチ監督はオーストラリア戦のような戦い方(守備から入る戦術)を選択する可能性がある(その時の2ボランチは長谷部と山口)。
 
 仮に指揮官がそうしたスタンスでメンバーを選ぶ場合、柴崎や柏木のような攻撃でこそ持ち味を発揮できるボランチはどうなるのか? 
 
 もちろん、柴崎の局面を打開できるセンス、柏木の繊細なボールタッチと展開力は実に魅力的だ。とはいえ、11月シリーズの人選から判断するかぎり、ボランチの選定基準でもっとも重視されそうなのが「デュエルの強さ」である。
 
 柴崎、柏木が代表復帰を果たすためには長谷部や山口ほどとは言わないまでも、ハリルホジッチ監督を納得させられるだけの守備力を身に付ける必要があるのではないか。

文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)