レコード大賞の”買収報道”で大混乱するTBS

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 TBSが放送する『日本レコード大賞』の“1億円買収疑惑”の波紋が広がっている。週刊文春が昨年末の『日本レコード大賞』において「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」(以下、三代目JSB)に大賞を獲らせるため、所属事務所のLDHとレコード会社のエイベックスが“芸能界のドン”こと周防郁雄社長(75)率いるバーニングプロダクションに審査員への働きかけを依頼していたと報道。その証拠として税込1億800万円の請求書を掲載し、レコード大賞の裏で“買収工作”があったと伝えた。

 同誌での続報では、同賞の最高責任者である日本作曲家協会会長の叶弦大氏(78)が謝罪するという事態にまで発展。その一方、芸能界を揺るがすほどの事件なのにワイドショーやスポーツ紙では一切触れられないという異常な状況が続いている。

■最有力候補AAAの大賞受賞も消えた?

 そんななかで17日、第58回レコード大賞の大賞候補となる優秀作品賞として、西野カナ「あなたの好きなところ」、浦島太郎(桐谷健太)「海の声」、坂本冬美「女は抱かれて鮎になる」、きゃりーぱみゅぱみゅ「最&高」、AKB48「365日の紙飛行機」、AAA「涙のない世界」、宇多田ヒカル「花束を君に」、西内まりや「BELIEVE」、氷川きよし「みれん心」、いきものがかり「ラストシーン」の10作品が発表された。そこに騒動の渦中にある三代目JSBの名前はなかった。当初はレコード大賞三連覇の可能性まで語られた有力候補だっただけに、今回のノミネート漏れは様々な憶測を呼んでいる。

「舞台裏でレコード大賞の関係者は大混乱しています。番組を放送するTBSには文春報道以降、クレームが殺到していようで、視聴者の反発をいちばんに恐れている。さすがに今年も三代目JSBがレコ大に関わったら完全に信頼を失い兼ねず、ノミネートからも完全に外された。今年の最有力候補と言われていたAAAにしても、三代目JSBと同じエイベックス系列ということで、関係者の間には大賞受賞に慎重論が出ています」(スポーツ紙記者)

 同賞の“出来レース疑惑”は以前からウワサされていたが、決定的証拠が出てきてしまった以上、視聴者からの視線は今まで以上に厳しくなることが必至。第58回を迎える歴史あるレコード大賞が大きな岐路に立たされているのは間違いないようだ。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。