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●競争激化の糖質オフ市場、差別化ポイントは?
ファミリーマートとライザップ(RIZAP)は、共同で開発した低糖質商品を発売する。両社が流行りの“糖質オフ”で協力したのは、健康をテーマとするコラボレーションの第一歩という位置づけ。コンビニ業界ではローソンが低糖質商品で先行するが、ファミリーマートとライザップはコラボレーションで何を目指すのだろうか。

○“おいしさ”と“低糖質”の両立で議論白熱

両社が11月22日に発売するのは、パンやデザートといった9種類の商品。全国のファミリーマート・サークルKサンクス(一部を除く)で取り扱う。

両社の発表によると、コラボ商品では「糖質を抑えながらもおいしさにコミット」するという。商品開発の現場では、“おいしさ”にこだわるファミリーマートと“低糖質”で譲れないライザップが「バトル」(澤田社長)して商品の構想を詰めていったそうだ。「(糖質オフ商品には)おいしいものがない」と感じていた瀬戸社長も、おいしさにこだわるファミリーマートとのコラボ商品には手応えを得ている様子だった。

両社には、コンビニのような日常的に利用する店舗において、おいしくて気軽に買える糖質オフ商品を取り扱うことにより、潜在的な需要を開拓できるとの考えがあるようだ。「マーケットは確実にある」と澤田社長は自信を示す。ローソンも糖質オフ商品には注力しているが、澤田社長は商品開発の経緯を踏まえつつ、コラボ商品の「おいしさ」が先行他社との差別化ポイントになると語った。

今回のコラボレーションは、2016年10月に業務提携を結んでいるファミリーマート、ライザップ、伊藤忠商事の3社の関係から発展したものだ。きっかけとなったのは、自身もライザップを利用している伊藤忠商事の岡藤正広代表取締役社長による働きかけだったようだが、ファミリーマートとライザップは、互いの強みをいかせると同時に、双方でメリットを享受できるとみて協業を具体化させたらしい。

●双方の強みとメリットが合致
○活用できる強みと双方のメリットとは

ファミマが活用できる強みは、何といっても全国1万8,000店を超える店舗網だ。健康への意識が高まるなか、ライザップのブランドを活用した商品を全国展開できるのは大きなメリットにもなる。

一方のライザップは商品企画力を活用する方針だ。6万人を超える会員を抱え、パーソナルトレーナーによるきめ細やかな指導を特徴とするライザップだが、減量の成否を左右する要因は「食生活が7〜8割」というのが瀬戸社長の見立て。同社では、どのような会員が減量に成功し、どのような会員が上手くいかないかを栄養学などを用いつつ分析しており、そういったデータはファミリーマートとのコラボにも活用可能とみる。

○一過性のコラボは眼中になし

ライザップには低糖質関連のビジネスに取り組みたい様々な企業からコラボレーションの引き合いが寄せられているという。そのなかには他のコンビニ大手も含まれていたらしいが、瀬戸社長はファミリーマートとならば「包括的な」取り組みができそうだと考えて協業を決めた。

「低糖質のリーディングカンパニー」(瀬戸社長)を目指し、低糖質の認知度向上を図りたいライザップとしては、例えば「低糖質フェア」などと銘打ち、期間限定でコラボ弁当を発売するといったような一過性のコラボでは、思った通りの取り組みができない。そこで、商品の共同開発から始まり、様々な分野へとコラボレーションを発展させられそうなファミリーマートを協業相手に選んだ。

全国に店舗網を張り巡らすファミリーマートが目指すのは、地域密着型の「プラットフォーム」(澤田社長)のような存在だ。多くの顧客を相手にするファミリーマートだからこそ、「社会にとって価値あるものを提供」していく必要があるというのが澤田社長の考え。そういった意味で、顧客の健康にフォーカスした商品・サービスを充実させられるライザップとのコラボは魅力的に感じたのだろう。

両社は商品の共同開発が協業の「第一歩」であると強調する。今後の展開としては、例えば共同で店舗を出店するようなアイデアも議論の対象となるようだ。糖質制限ブームが永続的なものかどうかは現時点で未知数だが、少なくとも両社のコラボは一過性のものでは終わらない。糖質オフに対する潜在需要がファミリーマートの見込み通りならば、両社の取り組みは大きなビジネスに発展する可能性がありそうだ。

(藤田真吾)