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 たこ焼きの「築地銀だこ」などを展開する「ホットランド」がマザーズ市場に新規株式公開(IPO)したのが、2014年9月30日。その時から2年経過し、2016年9月14日、「串カツ田中」が同じくマザーズ市場にIPOを果たした。

 たこ焼きの「ホットランド」の設立は1991年6月と、社歴は23年。一方、「串カツ田中」の設立は2006年12月で、社歴は10年である。

 ホットランドは群馬県で創業し現在の本社は東京、串カツ田中も「大阪伝統の味」を掲げつつも世田谷区で創業し、ほとんどの店舗が関東にある企業ではあるものの、「たこ焼き」と「串かつ」という大阪を代表する人気メニューを取り扱う企業が、ここ数年の間にIPOを果たしたことは興味深い。

「ホットランド」は「築地銀だこ」が主力ブランドであるが、「クロワッサンたい焼」で有名な「銀のあん」や、パティシエの鎧塚俊彦氏が代表取締役社長である株式会社サンセリーテとの合弁会社「株式会社1016」のスイーツ事業の方でも馴染みがある方もいるかもしれない。「築地銀だこ」は、2008年に店舗数300を突破した後、大量出店により、2014年12月に店舗数400に達し、急成長を続けた。現在は、立地・収益性重視の出店方針に変更している。不採算店舗の閉鎖、立地厳選の新規出店というスクラップ&ビルドを徹底し、立地・収益性重視の出店戦略が「ホットランド」の強みであると考えられる。(参照:2016年12月期 第2四半期決算説明会)

「串カツ田中」も同様に店舗数を急速に伸ばしている。「串カツ田中」の店舗数は、2011年11月末時点で6店舗だったものが、2016年7月末時点で120件まで急増している。全国1,000店舗を長期的な目標に掲げ、直営店の出店、フランチャイズ加盟店の推進をおこなっている。多店舗展開を可能にしている「串カツ田中」の強みは、/値と作業の標準化、串カツ業態としての専門化、D翰工程の単純化であるとしている。(参照:有価証券報告書)

 訪日外国人観光客は、たこ焼きと串カツと、どちらが好きなのであろうか?

「関西を訪れた外国人旅行者等に対する 生声アンケート調査」報告書 (参照:平成 27年 4月 近畿経済産業局発表資料)いによれば、B級グルメのカテゴリーで食べたいもの(複数回答)を、韓国、香港、台湾、中国からの外国人旅行者に聞いたところ、結果は以下のようになったという。

韓国:,燭海笋.蕁璽瓮鶚お好み焼きざカツヱ子
香港:.蕁璽瓮鶚△燭海笋6カツい好み焼きヱ子
台湾:,燭海笋,好み焼きラーメンざカツヱ子
中国:,燭海笋串カツお好み焼きラーメン

 各国とも、串かつよりもたこ焼きを食べたいと回答しているのだ。この結果から考えると、もし海外で事業を展開するのであれば、たこ焼き事業が最も成功する可能性が高そうだと推察される。また、串カツについては、中国、香港で事業がうまくいくかもしれない。

「串カツ田中」は「串カツを日本を代表とする食文化として世界中に広めていく」という目標を掲げているものの、現時点で海外事業展開は無く、全国に「串カツ田中」を広めていく段階にある。

 一方、「ホットランド」に関しては、日本の食文化を世界に発信する動きが見られる。「ホットランド」は、創業時に掲げた世界に「和のファーストフード」を展開することを目指し、2004年12 月の香港での海外第 1 号店オープン をはじめとし、台湾、タイ、韓国、中国、マレーシアのアジア各地域及び米国でエリアを拡大させてきた。2016年6月末時点、海外事業店舗が61ある。各国の店舗数は、香港20、台湾8、韓国5、タイ22、中国2、米国1、マレーシア2、カンボジア1である。(参照:2016年12月期 第2四半期決算説明会)

「ホットランド」は中東進出にも積極的だ。日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進を目指して2013年11月に設立された官民ファンド「クールジャパン機構」と、アラブ首長国連邦のCipher Investment L.L.C.(シファー)とタッグを組んで提供しているプラットフォーム、Cipher Nippon(シファーニッポン)とサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートで構成する湾岸協力理事会国(GCC)諸国で、ブランドを展開する、マスターフランチャイズ契約を締結したのだ。

 今後、たこ焼きや串かつが世界に広まっていくか、ホットランドと串カツ田中のIPOと共に注目していきたい。

<文/丹羽唯一朗>