植物の燃料でジェット機が空を飛ぶ!?米航空会社が木材を使った新燃料で商業フライトを成功させる

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海外でも以前から注目され、開発が進められてきたバイオジェット燃料。これを使ったアメリカの旅客機が、実際に乗客を乗せて飛行したとして話題になっている。

従来の燃料に20%混ぜて使用する

その航空会社とはAlaska Airlines。彼らは木の枝などから作られたバイオ燃料を、通常のものに20%混ぜて、自社の航空機「ボーイング737-800型機」に注入した。

そして11月14日、旅客機は163人の乗客をのせてシアトルのSeattle-Tacoma国際空港を離陸し、その後ワシントンDCにあるReagan国際空港に着陸。

これによりバイオ燃料を使った初の商業フライトが成功し、新たな歴史のページを作ることとなった。

森林の「残り物」から作り出す

このバイオ燃料の原料は、太平洋北西部にある個人所有の島の森林から得られたとされている。

燃料のために木の伐採を行ったのではなく、間伐や材木を切り出した後に残った切り株や、枝などを集めて利用したとのこと。

そしてワシントン州立大学のNorthwest Advanced Renewables Alliance(NARA)が、この原料からジェット燃料としても使えるバイオ燃料を抽出。

その結果、従来のものと化学的にも区別がつかない燃料を作ることに成功した。

多くの航空会社が利用すれば影響大

今回のフライトで消費されたバイオ燃料は、1080ガロン(約4082リットル)とされている。

無論、この程度の量では温室効果ガスの排出を大きく抑えることはできない。

しかし、多くの航空機がバイオ燃料を利用し、現在の燃料を少しでも減らせれば効果があるという。

Alaska Airlinesは声明で「航空会社がSeattle-Tacoma国際空港でバイオ燃料を使用し、現在の燃料の20%分を置き換えることに成功すれば、年間で3万台の車から排出されるCO2を抑えることに匹敵します」と語っている。

日本ではミドリムシによる燃料を開発

日本では以前からミドリムシのバイオ燃料で、ジェット機を飛行させる取り組みが行われてきた。

それを進めているのが株式会社ユーグレナ。この会社はミドリムシを中心とした微細藻類に関する研究開発、生産販売などを展開しており、サイトによればミドリムシオイルは軽質であるため、他の植物微細藻類に比べてもジェット燃料に適しているという。

現在、2020年までの実用化に向け、さまざまな実験や開発を進めているそうだ。

またJALでも2009年1月に、ボーイング747-300型機によるアジア初の、非食料系バイオ燃料を使用した試験飛行を実施している。

英でも導入が加速、蘭では運航を実施

さらにイギリスのブリティッシュ・エアウェイズも、2014年に埋め立て処分される廃棄物を原料にしたバイオジェット燃料の導入計画を発表。

オランダKLM航空はすでに廃食油を精製したバイオ燃料を使い、2011年にはアムステルダム―パリ間を、2013年にはアムステルダム―ニューヨーク間の運航を行ったという。

現在、世界では二酸化炭素の排出を抑制するためにさまざまな工夫が行われている。今後、今までにはない燃料の使用が、あらゆる分野で増えていくのかもしれない。