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By César Astudillo

イギリスで新しい監視法「Investigatory Powers Bill(調査権限法案)」が上院を通過し、2016年内に法律として成立することになりました。調査権限法案は、インターネット関連企業にユーザーのウェブ閲覧データを1年間保存することを義務づけ、企業は法執行機関の要求に応じて開示するという究極の監視法になっています。

Britain has passed the 'most extreme surveillance law ever passed in a democracy' | ZDNet

http://www.zdnet.com/article/snoopers-charter-expansive-new-spying-powers-becomes-law/

The Snooper's Charter Just Became Law - And Now the Government Can Spy On Your Internet Activities | Gizmodo UK

http://www.gizmodo.co.uk/2016/11/the-snoopers-charter-just-became-law-and-now-the-government-can-spy-on-your-internet-activities/

Snooper’s Charter just got passed so government can spy on your internet use | Metro News

http://metro.co.uk/2016/11/17/snoopers-charter-just-got-passed-so-government-can-spy-on-your-internet-use-6264411/

UK parliament rubberstamps mass surveillance law | TechCrunch

https://techcrunch.com/2016/11/17/uk-parliament-rubberstamps-mass-surveillance-law/

UK: Investigatory Powers Bill passed - ISP logging without a warrant imminent

https://www.neowin.net/news/uk-investigatory-powers-bill-passed---isp-logging-without-a-warrant-imminent

Why the Investigatory Powers Act is a privacy disaster waiting to happen | Ars Technica UK

http://arstechnica.co.uk/tech-policy/2016/11/investigatory-powers-act-privacy-disaster-waiting-to-happen/

調査権限法案(通称:Snooper’s Charter)は、インターネットサービスプロバイダや携帯電話事業者、コミュニケーションアプリの開発会社などインターネットに関連する企業に「Internet Connection Records(ICRs)」と呼ばれるデータを1年間保存させ、警察や情報機関などの法執行機関が記録されたデータにアクセス可能になるという監視法です。

ICRsに含まれるのはインターネットプロトコル、ポートアドレス、IPアドレス、アクセス日時などのインターネット接続に関するありとあらゆるウェブ閲覧データ。今までは企業がウェブ閲覧データを法執行機関に開示するには、令状が必要だったのですが、調査権限法案の公布後は令状を提出する必要がなくなります。



イギリス政府によれば、インターネット関連企業はICRsを保存する義務がないため、警察や情報機関が捜査時に十分な情報を収集できないという問題があるとのこと。しかし、調査権限法案が正式に発布されれば、企業が保存したデータに警察や情報機関がアクセスして捜査に役立てることができるというわけです。

しかしながら、調査権限法案は簡単に言ってしまうと「政府は国民がインターネットで何をしているか監視できる」ということであり、批判の声があるのも事実。リベラル派の政治家であるジュリアン・ユペール氏は「国民は心配すべき」と警笛を鳴らしています。



批判の声の中には「Torブラウザを使って回避できる」と言う人も。



調査権限法案は、現首相のテリーザ・メイ氏が内務大臣時代に草案を公示したもの。2015年12月に国会で法案が発表された際には、同法案が必要である理由の1つとしてイギリスに対する度重なるハッキング攻撃を挙げていました。しかし、経済誌のForbesは「事業者がデータを安全に管理してくれるものと単純に信頼することはできない」と、企業がウェブ閲覧データを保存する危険性を指摘しています。

さまざまなところで議論を呼んでいる調査権限法案ですが、 エリザベス女王がサインすれば2016年度内に公布されるとのことです。