「代償」で“サイコパス”安藤達也を演じる高橋努

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11月18日より、Huluにて日米同時配信がスタートした小栗旬主演・Huluオリジナルドラマ「代償」。

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Smartザテレビジョンでは、本作に出演するメインキャストおよび監督にリレー形式でインタビューを敢行した。

第2回は小栗扮(ふん)する弁護士・奥山圭輔の幼なじみで、無期刑を求刑されている強盗殺人事件の被疑者・安藤達也を演じる高橋努に話を聞いた。

圭輔を追い込む本作のキーパーソン・達也を演じた感想や、親友でもある主演・小栗の印象、この目的のためならどんな「代償」もいとわない、というものなどについて教えてもらった。

――「サイコパス」ともいうべき達也を演じられた感想を教えてください。

達也は決して自分では直接手を出さず、(犯罪を)全て他人の心を動かして犯罪を教唆する悪人です。一見すると、その辺にいるいい人そうな兄ちゃんが、実は裏で手を回してやらせているイメージだったので、とにかくフラットな感じで演じました。

お芝居の中でさらに“演じる”という難しい役ですね。どうしても気持ちで芝居をすると、色濃くそれが出ちゃうので、そこは監督ともたくさん話し合いました。気持ちでやると、絶対にこの人が手をかけているなというのが画面に出ちゃうので、とにかくフラットさは強く意識しました。

――達也の魅力やいいところはどんなところだと思われますか?

どんどん人にモテていくのはいいことです(笑)。共感できる部分はなかなかありませんでした。まあ、共感したらヤバイ人になっちゃいますもんね(笑)。

ただ、これはサイコパスを題材にしていますが、僕としては“愛の作品”だと思っていて、世の中のあらゆる人たちにも通じるものがあると思うんです。社会の目線でいえば達也は屈折しているんでしょうけど、愛としては真っすぐ貫いている。だから逆に周りの人の方がかなり屈折しているのかなと。

例えば、周りに気を使うというのは、見た目や言葉としてはいいことですけど、真の意味で愛は貫けていないですよね。逆に愛だけを貫いてしまうと屈折していると思われちゃうんです。

「愛されたい願望」は、皆さん誰もが持っていて、もちろん僕も持っているのですが、それは「愛」という言葉とは裏腹に、あまり真っすぐな愛の形ではないのかなと。やはりその人を愛さないと、その人からは愛されないですから。

――何か格好いいですね!(笑)

そうですか?(笑) いや、冗談抜きに僕はそう思っていて、演劇やドラマをやっていて、やっぱり自分自身が作品を愛さないと作品からも愛されないし、お客さんを愛さないと自分も愛されないだろうな、という意識はずっとあるんです。

でも、現実には愛してもらいたいだけの人が多いような気がするんですよ。それをすごく貫いてしまうと、それもサイコパスになるのかな。そういう意味では、達也にはすごく人を引き付ける魅力があると思います。

――高橋さんも、いま数分お話をお伺いして引き付ける魅力があるなと勝手に思いましたが、ご自分ではいかがですか?

えっ!? サイコパスの才能がありますかね?(笑)

――いや、そっちじゃないです!(笑) モテ要素といいますか…。

はっはっは、ありがとうございます! そんなにモテないですけどね。でも、男たちからはモテる自信がありますよ。いつも男たちと飲んでいるから、おのずとそうなるのかな。

――以前、共演の高梨臨さんにお話を聞いた時、「努さんは現場で“いい男風”を気取っている」って仰っていましたよ(笑)。

僕がですか? アイツめ!(笑) 気取ってないと思うんだけどなあ…いつも割とフラットな感じですよ。やっぱり臨ちゃんが俺のことを好きだから、勝手にそう見えちゃうのかな(笑)。

――なるほど、自然と引き付けられているわけですね(笑)。

そうそう! 皆さんの優しさに包まれながらこういう役をやらせてもらって、現場でも何となく達也でいようとは思っていましたから。ただ、それを続けていると気が狂ってしまうので、たまにはダハハって豪快に笑いたいんですよ。小栗にも臨ちゃんにも、スタッフの皆さんにも助けてもらってやってきました。

――小栗さんとのシーンで印象に残っているのは?

最終話のラストシーンは、初めて僕が感情を出すので印象に残っています。基本的に圭輔が相手じゃないと本心も全然言わないし、感情を表に出さないし、何なら圭輔以外何もいらないって人ですから。ラストで圭輔と対峙(たいじ)したところはとても印象的でした。

いつもは感情を大事にお芝居をしていますが、ずっと感情を出さないでいると、感情を出すのってこんなに気持ちがいいのかって思いましたね。本当にいろいろと考えた役ですが、相手が小栗だったので、とてもやりやすかったですよ。僕がそんなことを言うのも失礼なくらいの役者ですけど。

――今回の現場での小栗さんはいかがですか?

やっぱり、いい芝居をするなあって思いました。友達ですけど「小栗もなかなかええやん!」みたいな(笑)。対峙していて、「いい顔するな」って(笑)。友達なんで、ちょっと恥ずかしさはありますが、やっぱり小栗の圭ちゃんが追い込まれていくさまは、一緒に芝居していても見応えがありました。

打ちのめし甲斐があって。小栗もこの役のために体を絞って、“追い込まれ具合”を体から出していましたね。小栗とガッツリ絡んだのは「クローズZERO」('07年)以来なので、今回宣伝のポスターを2人で一緒に撮ったのとか、恥ずかしかったです(笑)。

何年か越しにようやく一緒にやれた実感はすごくあったけど、もうちょっと僕も頑張らないといけないですね。小栗はず〜っとトップを走ってきているので。プライベートでも小栗は子供もいるし、俺は相手すらいないし…みたいな(笑)。いつもあいつに前を走られている感じがしますね。早く幸せになりたい!(笑) 

――そしてタイトルが「代償」ということで、高橋さんがこのためなら何かを犠牲にしてでもやり遂げたいということは何ですか?

僕、若い頃も今も女の子が大好きなんです。でも、フリーター時代とか、役者を始めても食えない時代が当然あって、その時に役者として成功するためにプライベートを捨てようって思いました。何かの欲求を完全に捨てれば、そこに隙間が空くんじゃないかと勝手に思っていて、いざやってみたら…こうなりました(笑)。

――女の子はどけてきたと?

どけているというと、全く寄って来なくなっちゃうので言いたくないんですけど、やっぱり若い頃は役者道を進む「代償」として、欲望や煩悩を抑えるということは意識しました。あと、蜷川幸雄さんに、「おまえバイトなんかしているからフリーターみたいな顔をしているんだ」って言われたことがあったんですよ。

僕がデビューしたてのころ、稽古中に。それで確かにそうだなと思って、それまでは飲み屋でアルバイトをしていたんですけど、次の日に辞めたんです。そうしたらもちろん生活も大変でしたが、何か自信があったんですよ。割りとすぐに仕事が入ってくるようになって。さすが蜷川さんだなと。

――ちなみにマイブームや、休みの日にやりたいものは?

趣味はないので、お酒を飲むくらいかな。俺って結構つまんねえ人間なんですよ(笑)。ただ、ありがたいことに台本はいつもテーブルの上にあるので、ずっと台本を読んで、気が向いたらドラマを見て映画を見て、小説を読んでってくらいですね。

そして夜になったら酒飲んで、の繰り返し。仕事さえあれば充実しちゃうんで、あとは早く家庭を築きたいです(笑)。

――では、最後に役者・高橋努としての今後の展望を教えてください。

もともとは「男はつらいよ」のような、義理人情ものの作品に憧れていたんです。そういう映画に出て、いずれ主役を張れる役者になる、というのを目標にしてやってきたんですけど…今後はHulu専属俳優ですかねえ(笑)。

いつどこを見ても俺が出ていて「またあいつ!?」みたいな(笑)。それは、冗談半分…本気半分ですけど(笑)。

生き方としてうちの爺ちゃんにいろいろ学んだことが多くて、「男の中の男でいなさい!」ってずっと言われてきました。それを考えながら生きてきて、高校も大学も寮生活で、男同士の中で生きてきたので、誰から見ても“男の中の男”だなと思われたらうれしいです。もちろん女性からもいいね、って言われたいですけど…。

何よりも男たちが見て、「いいじゃんあいつ」ってなればいいですね。

これからも、いい作品にいい状態で生涯ずっと出続けられる俳優でいたい。そのためには、人と作品を愛し、ワンシーン、ワンカットを全身全霊で演じていきたいです。もっと面白いことを言った方がいいですか?(笑) 

でも、それを目標にこれからもお芝居を続けていくので、ぜひこの「代償」を見てください。