(写真提供=SPORTS KOREA)平昌五輪の広報大使を務めるキム・ヨナも精力的に活動しているが…。

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“崔順実(チェ・スンシル)ゲート”に揺れる韓国。来年2月は平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開催を控えているが、その混乱ぶりにはIOC(国際オリンピック委員会)も気を揉んでいる。

今月11月9日には、IOCのトーマス・バッハ会長が、平昌五輪の大会組織委員会の関係者と会い、「韓国で起きているスキャンダルのせいで平昌五輪のマーケティング活動に問題や支障が起きていないか」と心配していることも明らかになったいる。

なんでもIOCも韓国で起きていることをモニタリングしていて心配をしていようなのだ。

IOCが心配しているのは、以前として目標額に達していないローカルスポンサー契約である。

平昌五輪組織委員会は、企業とのスポンサー契約として総額9400億ウォン(約940億円)を計画しているが、2016年10月時点で集まったのは目標額の84%にしかなっていない。

そんな中で“崔順実ゲート”が発覚し、多くの企業がミル財団やKスポーツ財団への関与を疑われで検察から調査を受けているため、交渉中だった企業はもちろん、新たに名乗りを上げてくれそうな企業もなく、その先行きが不透明な状況になるのだ。

もっとも、平昌五輪のローカルスポンサー確保が難航していることは、今に始まったことでもない。資金集めで苦労してきたことは、以前から報じられてきた。

そんな中で救いの手を差し伸べたのが、サムスン・グループでもある。

2015年4月に、サムスン・グループは平昌冬季五輪組織委員会と共同で記者会見を開き、ローカルスポンサー契約を締結。その額、なんと総額1000億ウォン(約100億円。現金800億ウォン、現物支給200億ウォン)という大型契約だった。サムスン生命、サムスン火災、サムスン証券、第一毛織などグループ全体として平昌五輪をスポンサードしていくとしたのだ。

もともとサムスンはグループの主幹企業であるサムスン電子が1998年長野五輪からIOC(国際オリンピック委員会)のワールドワイドスポンサーとなっており、2014年8月にはIOCの最高位スポンサー制度「TOPプログラム」の協賛社として2020年東京五輪までその契約を延長しているが、それとは別にローカルスポンサーとしても平昌五輪を支援することを明らかにしたことで、契約発表当時は韓国メディアでもサムスン賛辞があふれた。

「平昌救出に出たサムスン」(ニュースメディア『YTN』)
「 “二重支援”のサムスン、スポンサーシップの模範示した!」(一般紙『韓国日報』)
ネットメディア『メディア・ペン』などは、「やはりサムスンだ。 財界1位らしく、平昌五輪の成功的開催のために、率先して模範を示している」としたほとだった。

サムスンがグループ全体で平昌五輪の救済に動いた背景には、朴槿恵(パク・クネ)大統領の要請があったと言われている。

朴槿恵大統領は2015年2月、サムスン・グループの次期総帥とされるサムスン電子のイ・ジェヨンら財閥トップらを昼食会に招き、「平昌五輪への積極的な支援と配慮を」と訴えた。つまり、サムスンは政府からの要請を受けて平昌に乗り出したわけだが、そのサムスンに次ぐ有力財閥や企業がスポンサーに名乗り出てくれない状況だ。

しかも、周知の通り、サムスン電子はGalaxy Note7の発火事故と販売中止騒動で業績悪化。さらに“崔順実ゲート”にも関与していたとして(乗馬選手である崔順実の娘の強化費用を支援していたなど)、いろいろと厳しい立場に立たされている。グループ全体が寒風に震えている状態なのである。

政治スキャンダルで揺れ、頼みの大口スポンサーも苦境に立たされ、資金繰りで苦戦が続く平昌五輪。“崔順実ゲート”により、政局も経済界も硬直してあらゆる事業が進めない今、その先行きがますます不安になってくる。

(参考記事:崔順実ゲートに揺れる朴槿恵政権。その政治的混乱が平昌五輪にもたらす“危機”)

(文=S-KOREA編集部)