テスラの「オートパイロット」、ドイツの所有者7%が誤解 その意味とは?

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ドイツ連邦当局から「オートパイロット」の改称を要請された米電気自動車メーカー、テスラモーターズは専門家らに委託し、自社の車の所有者たちがどの程度、システムを理解しているかに関する調査を行った。

11月上旬に公開された調査結果によると、テスラにとっての朗報は、「グラスは93%満たされている」ということだ。だが、これは同時に、同社と車の安全性にとって残念な知らせでもある。言い換えれば、その「グラス」は非常に大きく、たとえ7%でも、このシステムについて誤解をしている人は相当数に上るということだからだ。

ドイツの市場調査会社プルスが同国のテスラ車オーナー675人を対象に実施した調査では、「オートパイロットという名称から、車は完全な自動運転車であり、ドライバーは車を監視している必要がないということを意味していると思うか?」との質問に対し、7%が「イエス」と回答していた。

米国での「7%」の意味

米国では欧州の大半の国に比べ、自動車の運転免許の取得は非常に簡単だ。そのため、ドイツのドライバーたちは米国に比べ、その大半が自分の運転する車について、より深く理解していると考えるのが妥当だろう。だが、ここでは便宜上、米国のテスラ車オーナーたちの間でも、オートパイロットについて理解している人の割合は同程度だと仮定する。

米道路交通安全局(NHTSA)によると、米国内の運転免許の取得者は2014年現在で約2億1,400万人。そのうちの7%に当たるのは、およそ1,500万人ということになる。

車を使った人の移動距離は同年、約4兆4,000億マイル(約7兆811億km)。その中で、交通事故による死者は3万2,675人に上っている(歩行者約5,000人、自転車利用者約1,000人を含む)。大方において、衝突事故の90〜95%は人的ミスが原因とされている。また、世界全体での自動車事故による死亡者は、年間100万人以上。人的損失は、あまりに多いといえる。

技術は開発途中

自動運転車に関連した先端技術を研究しているマサチューセッツ工科大学のブライアン・リーマー博士と研究チームは、1年ほど前から異なる技術を採用した複数の自動車メーカー(テスラ、ボルボ、ランドローバー、メルセデス・ベンツ)の各モデルについて、調査を行っている。

博士によると、調査はまだ継続中だが、これまでに以下のことが確認されている──「各社が導入しているシステムの性能には大きなばらつきがあること」「ヒューマンマシンインターフェースは最適というにはほど遠く、大幅な改善の必要性があること」「システムに関するドライバーの教育に多大な努力が必要であること」

自動運転と通常の運転の中間に位置付けられる「運転者の監視下での手離し運転」が、現時点での最大の問題の一つだ。実際のところ、今年これまでに報告されているテスラ車の事故の一部は、この問題が主な原因となった可能性がある。

ドライバーたちが「オートパイロット」機能を使っていたと説明する一方でテスラ側は、「テレメトリーシステムのデータによれば、システムは作動していなかった」と主張しているのだ。

ただ、テスラはそのシステムのスイッチが厳密に「いつ」切られたかという点について明らかにしていない。ドライバーたちが、オートパイロットが作動していない状態になったことに気付いていなかった可能性がある。

現在のような「中間レベル」の技術を積極的に販売しようとすることは、さらなる衝突事故の危険を冒しているということになる。長期的にみれば、今後この技術がさらに向上したときの、消費者の評価を損なっている。