「なんちゃって女性管理職」には味方を演じよ

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外資系企業からやってきたコンサルタント系上司や合併先の上司、政府の「女性の活躍推進策」で下駄を履かされた女性上司……。もう何がきても怖くない、部下の心得と対策を伝授しよう。

■【なんちゃって女性管理職】無能でも我慢。「積極的傾聴」で味方を演じよ

女性管理職を数値的に増やす施策の一環として、実力不足にもかかわらず昇進したのではないかと思われる女性上司がいたら「下駄履き上司」などと色眼鏡で見たくなる気持ちもわからなくはない。ここではこれを「なんちゃって女性管理職」と呼ぶ。ただ、そのように揶揄する気持ちがあると、結局は自分が損をするだろう。

そもそも、女性社員と折り合いが悪い男性社員は必ずいる。これには、大きく分けて3つのタイプがある。第1は、性別をことさらに意識してしまう意識過剰タイプ。第2は、「女というのはそもそも」などと言って女性を煙たがるタイプ。第3は、一種の敵対意識を持った女性蔑視タイプ。

では、そんな人たちに問いたい。はたして女性と男性ではどちらが優秀なのかと。人事部門の専門家なら誰もが知っていることだが、採用試験の点数で見ると、官民を問わず女性のほうが比較的に優位だ。教えられたことを理解する能力も相対的に女性のほうが高い。つまり、もしかしたら、これまでは男女で同じ能力があったら、男のほうが下駄を履かされて管理職になっていた可能性だってある。また同じポジションなら、女性のほうが男性の120%くらいの努力をしてきたのかもしれない。そう考えれば、女性に対する畏敬の念も生まれてくるだろう。

そもそも「なんちゃって女性管理職」だってバカじゃない。自分が下駄を履かされたなんてことは先刻承知。周囲がどんな目で見ているかも気づいている。そうした重荷をとく度量が部下にあってもいいのではないか。

そのために有効となる、最も大きなポイントが一つある。それは、女性特有の長くなりがちで、必ずしも理路整然としていない話でも、うわの空にではなく、共感しながらしっかり聴くことだ。いわば積極的傾聴である。

女性は話を聴いてもらったということで、男性以上に安心する。また、話を聴くという行為が、相手を尊重していることの表れにもなる。間違っても「なんちゃって女性管理職」の話した内容に対し、「理屈が合いませんよ」などと揚げ足をとってはいけない。

まずは「そうですね。わかりました」としっかり聴いてあげて、「では、この仕事については、こんなふうに進めてみますね。また報告しますから」という感じで、いわばこちらに裁量権を持ってくるようにしてしまえばいいのだ。実力不足を自認している「なんちゃって女性管理職」なら、実動部分については部下に任せてくれるはずだ。

▼特徴
・じつは女性のほうが男性より優れた能力を備えている部分も少なくない。
・下駄を履かされているのは本人も承知。
・話が長くなりがちで、理路整然としていないことも多い。

▼対策
・どんなに話が長くても、理屈が通っていなくても、積極的傾聴でしっかり聴く姿勢を見せる。
・話を聴くことで上司を尊重すれば、実務の主導権を握ることも可能になる。

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本田有明
本田コンサルタント事務所代表。日本能率協会を経て人事教育コンサルタントとして独立。経営教育、能力開発の分野でコンサルティング、講演、執筆活動に従事。著書に『上司になってはいけない人たち』(PHP研究所)など。
 

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(小澤啓司=構成 永井浩=撮影)