韓国仁川松島国際新都市 photo by fabricfestival0 via Pixabay(CC0 Public Domain )

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 韓国政府は現在、ユビキタス・コンピューティングを利用した、都市主要サービスのデジタル化に意欲的に取り組んでいる。

 彼らが推進しているのは、「ユビキタスシティ」、略して「Uシティ」と呼ばれるプロジェクト。それは、都市空間にICT技術やエコ技術を用いて、市内サービス、小売店や住宅のデジタル制御およびコミュニケーションを自動化・供給することを目的としている。また、行政・交通・物流・エネルギー・環境・水管理・住居など、あらゆる生活インフラサービスを効率的にコントロール・管理し、継続的な経済発展を見据えた新しい都市をつくるためのプロジェクトである。

 Uシティ推進プロジェクトは、U-City法に則り、国土交通部を中心に通信網、知能化された施設、都市統合運営センターなどの設置を中心に進められている。

 構築費用は平均的に300億ウォン~400億ウォン(約28億951万円〜約37億4601万円)規模で、これは一般的な新都市造成事業総額の3%未満の水準だ。

 一例として、韓国では仁川(インチョン)市の埋立地に、松島(ソンド)新都市というスマートシティーを建設中である。具体的に言えば、都市を建設することで電気や水道などの社会インフラ、交通網、通信網などの情報を統合的に制御し、環境負荷の軽減を図る狙いがある。

 この街づくりの最大のコンセプトは環境重視。全長25kmの自転車専用道路を張りめぐらし、徒歩や自転車を主な移動手段にして、車を極力使わなくてすむように工夫している。高層住宅にはハイテクな装置が完備され、ゴミをダクトから吸引して収集センターまで自動集積することで、街にゴミ収集車は不要となっている。

 さらに、ソウルから南に120キロの忠清南道(チュンチョンナンド)には、2012年7月に世宗(セジョン)特別自治市が誕生した。その地は、ソウルに続く韓国の「第2の首都」にするという位置づけで建設が進んでいる。

 世宗市は最先端のICT技術を取り入れ、韓国で初めて都市全域に超高速自家通信網と無線網を構築してある。都市の頭脳の役割を果たす韓国最大規模の都市統合情報センターを建設し、スマートフォンなどによるu-サービスを提供する。世宗市のu-サービスは、個別の行政サービスや交通情報、遠隔診療、気象情報、施設の案内、遠隔検針といった先端サービスを提供している。

 地上を走る電車「幹線急行バスシステム(BRT)」もIT技術を活用し、信号や交通情報などを自動制御・管理する。

 しかし一方で、韓国内ではスマートシティ(Uシティ)プロジェクトの課題に対する指摘が目立ってきている。

 今月13日、韓国情報化振興院が発表した「スマートシティの発展の展望と韓国の競争力」というテーマのもとに作成された「IT&Future Strategy」報告書によると、スマートシティ分野は今後10~20年間で最も早い市場成長が見込まれており、韓国政府もこれを新たな輸出市場として伺っている。

 ただ、近年の韓国スマートシティ分野の発展過程を分析してみると、グローバル的な長所より他の国家に劣勢な短所が目立っているというのが、韓国情報化振興院の分析だ。

 スマートシティ事業推進に長期間を費やしてきたが、成功事例があまりなく、いまだモデル事業の段階で、本格的な事業には発展せずにいる点が指摘されている。報告書ではまた、今後のスマートシティの発展のために、韓国側が早急に解決しなければならない4つの課題を提示している。

  まず、都市建設や革新が持つ社会経済的波及効果を国民に理解してもらい、専門家だけでなく、このプロジェクトへの全国民の参加を促すきっかけの必要性があるという。次いで、都市と地方をしっかり連結させ、格差のない同等の各種都市産業を展開すべきだと主張した。加えて、モデル事業展開後、規制緩和を見据えた法的根拠と手続きの用意の必要性、最後に、スマートシティ構築に必要な技術力を確保できるように国家主導の産業融合戦略の明確化を求めている。

 同報告書では「スマートシティは、韓国社会の社会問題を解決するうえに、韓国経済の成長エンジンとなる事業(中略)今後、実質的に成果を出せる実用主義アプローチが必要だ」と強調している。

参照:「newsis.com」

<取材・文/ロボティア>編集部 photo by fabricfestival0 via Pixabay(CC0 Public Domain )>

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